五輪競技場建設で「葛西臨海公園の生態系壊れる」 野鳥の会、カヌー会場の変更求める

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   2020年夏季五輪の会場が東京に決まったことを受け、早くも競技会場建設をめぐる問題が浮上した。カヌー(スラローム)競技会場は葛西臨海公園(江戸川区)の一角に設けられる計画だが、同公園は都内有数の野鳥の飛来地。日本野鳥の会(品川区)が、都の招致委員会に対して代替地の選定など計画の見直しを求める声明を発表した。カヌー競技会場をめぐる問題は、落選した16年夏季五輪に向けた招致活動の時点でも指摘されてきたが、開催地が決まったことで問題の本格的な議論を迫られることになりそうだ。

五輪後には市民がラフティング楽しめる施設を残す

競技場の完成予想図。立ち席を含めると1万5000人を収容できる(招致委員会ウェブサイトから)
競技場の完成予想図。立ち席を含めると1万5000人を収容できる(招致委員会ウェブサイトから)

   東京近郊の33会場のうち85%にあたる28会場が、晴海地区に建設される選手村から半径8キロ以内に設けられる。カヌーが行われる葛西臨海公園は、この8キロ圏内では比較的「はずれ」にある。

   建設計画の詳細は明らかではないものの、招致委員会がIOCに提出した立候補ファイルによると、カヌー競技会場は東京都が24億円、大会組織委員会が8億円を投じて建設。工事は17年12月にも始まり、完成後は立ち席3000席を含む全1万5000席を備え、五輪期間中には4種目が予定されている。五輪後は、市民がカヌー競技以外にラフティングなどのレクリエーションにも使える施設を残す。

   立候補ファイルの地図から読み取れる限りでは、競技会場は公園の西側に建設されるようだ。西側には、各種イベントが行われる「汐風の広場」、松林や散歩道がある。公園は埋め立て地を造成して1989年にオープン。24年かけて生態系が形成され、野鳥の会の調べでは、園内で野鳥226種、昆虫140種、クモ80種、樹木91種、野草132種が確認されている。同会では、競技場建設で公園の3分の1程度の自然環境がなくなった場合、その影響が公園全体の生態系に及ぶと指摘している。

IOC報告書にも「さらに詳細な環境影響調査が行われるだろう」と記述

   IOCとしても、この問題には関心を寄せている模様で、評価委員会が立候補した3都市を視察した上で13年6月に発表した報告書にも、

「カヌースラローム競技に提案されている葛西臨海公園内の会場は、幅広く親しまれている公園にあり、重要な野鳥保護区域に近い。東京五輪招致委員会も、この場所をめぐる反発は認識している。会場の開発に関する議論は関係市民の間で行われてきたが、東京での五輪開催が決定した場合、さらに詳細な環境影響調査が行われるだろう」

との記述がある。

   五輪開催決定を受けて野鳥の会などが9月8日に発表した声明では、五輪招致自体には反対してこなかったことを強調しながら、都の事務局に対して(1)IOCに対して「立候補ファイル」と一緒にIOCに提出した環境影響評価書の公表(2)代替候補地の選定と環境影響調査の実施、を求めている。具体的には、葛西臨海公園以外の、東京湾埋立地内の未利用地や湾岸の未利用地といった環境への影響が少ない場所を競技場に利用するように求めている。

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