「ALPS」全系統が完全停止のピンチ 「増設予定」もトラブル続きで不安

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   東京電力福島第1原発で、汚染水処理の切り札と位置付けられている多核種除去設備「ALPS(アルプス)」の運転が完全にストップした。3系統のうち唯一稼働していた1系統で異常が見つかったためだ。

   ただでさえ汚染水が増え続けている現状でALPSが止まると、高濃度汚染水が処理されないまま行き場を失う危機的な状況に陥る。

「フィルターの不具合」「配管の弁が閉まったまま」で停止相次ぐ

ALPSの吸着塔(写真提供:東京電力)
ALPSの吸着塔(写真提供:東京電力)

   東電は2014年5月20日、ALPSの3系統の中のC系統について、本来透明になっているはずの水が白く濁っていたため朝9時に運転を停止した。処理前の汚染水に含まれるカルシウムの濃度が下がっていなかったことが原因とみられる。

   2014年3月以降、ALPSはトラブルの連続だ。3月5日にB系統が停止。いったんは復旧するが3月18日にまたもストップした。フィルターの不具合で一部の放射性物質が装置内に残存し、下流に流れて放射能の濃度が上昇したことが確認されたことから、以後は稼働していない。A系統も3月、4月と続けて一時停止している。特に4月22日のトラブルは、手動で開閉する配管の弁が閉まっていたと指摘されている。5月17日にはまたも、水が白く濁ったうえカルシウム濃度が高いことが確認され、以降運転が止まった。そして今回のC系統の停止で、すべてが汚染水処理できない状態に追い込まれたのだ。

   このうちB系統は、部品を交換して早ければ5月23日にも再稼働にこぎつけたいと東電は考えているという。すんなり進めば、全系統ストップという非常事態は数日で回避できることになるが、残りの2系統は原因究明や必要な作業に時間がかかり、全系統そろって稼働する時期のめどは立っていない。

   東電では、トリチウム以外の放射性物質62種類を取り除くALPSを2014年4月にも本格稼働させようと試運転を続けていたが、時期がずれ込んだうえに見通しも立たない。2月12日には原子力規制委員会に増設を申請し、今秋には設備を倍増させて汚染水の浄化を一気に進めたい考えだが、現状では安定稼働に持ち込めるのか大変心もとない状況だ。

   汚染水処理は綱渡りが続く。一時的な保管のために使用していた地下貯水槽は、1年前に相次いで水漏れが見つかり、現在は原則使えない。地上タンクの増設でしのぐが、終わりの見えない増水にいつまで対応しきれるのか、危うさがつきまとう。

地下水くみ上げて海に放出する作業は始まったが……

   1~3号機では、核燃料を冷やすために大量の水を流し込んでいる。しかし圧力容器に穴が開いていて漏れ出しタービン建屋地下にたまっているため、長くつないだ配管を通して移送し、放射性セシウムを取り除く処理を施した後に再び冷却水として使用する循環システムを運用している。だが一方で、1日約400トンの地下水が原子炉建屋に流れ込み、汚染水化している。

   今秋ALPSが増設されると、全系統が稼働すれば最大処理量は1500トンになるという。加えて5月21日、原子炉建屋に流れ込む前の地下水をくみ上げて海に放出する作業が始まった。初日は561トンの排水を完了。順調に進めば、1日当たり最大100トン分の地下水を減らせるという。

   ただ地下水バイパスの「作戦」は始まったばかりで、当面は様子を見る必要があるだろう。さらにALPSの場合は、現状の不安定さを見ると増設後に常時フル回転できるのか懸念が残る。さらに言えば、「処理後」の水の取り扱いが現時点で決まっていないのも気になる点だ。トリチウムの濃度を基準値以下に薄めて海洋に放出すべきとの意見もあるが、現段階では地元住民や漁業関係者の反対もあり、実施していない。「汚染水ゼロ」を実現するには、シナリオ通りに事が運んだとしても遠い道のりと言えそうだ。

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