社員の発明は誰のもの?特許は? 「企業のもの」に法改正する動き

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   政府は、社員が仕事として開発した「職務発明」の特許を社員のものとする現行制度を改め、条件付きで企業が持つように法改正する方針を打ち出した。2014年6月に決めた「骨太の方針」に盛り込まれ、来年の通常国会にも特許法改正案を出す方針だ。

   ただ、社員の発明への意欲をそがないかといった懸念も出ており、具体的な条件を巡って、議論は難航も予想される。

「中村訴訟」、世間が注目

「社員の権利」と「会社の権利」、揺れる日本の「ものづくり」(画像はイメージ)
「社員の権利」と「会社の権利」、揺れる日本の「ものづくり」(画像はイメージ)

   特許法では、社員が会社の設備を使って発明した場合も、特許は社員の側に帰属するとされていて、特許を企業が使う場合、発明を行った社員は「相当の対価」を受け取る権利があるとされ、その対価は企業と社員の話し合いにゆだねている。

   ただ、この「相当の対価」が曖昧で、社員側が「対価が少なすぎる」と訴訟を起こすなど争いになるケースが後を絶たず、企業が巨額の和解金を負担したケースもある。代表的なのが日亜化学工業の社員だった中村修二氏が発明した青色発光ダイオード(LED)の対価を求めた訴訟で、2004年に東京地裁が200億円の支払いを命じて世間の注目が一気に高まった(この訴訟自体は最終的に8億4000万円の支払いで和解)。

   これに前後し、味の素が甘味料の開発で20億円要求され1億5000万円の和解金を払ったり、日立製作所が光ディスクの読み取りで2億8000万円を要求され1億6000万円の支払いを命じられたりするなどの事案が相次いだ。

   企業の懸念は、額の大きさはもちろんだが、現在は直接の発明者など特定の個人の権利が重く、「技術開発や販売にかかわった他の社員が報われず、チームワークが乱れる」(製薬業界)といった点にもあるという。

   こうした産業界の意向を背景に、安倍政権は昨年6月、成長戦略の一環として、特許を「会社のもの」にする検討を始めることを打ち出し、3月から特許庁の「特許制度小委員会」などで議論。その結果、「社員に帰属」の原則は残しつつ、発明に見合った十分な報償金を支払う仕組みを設けるといった一定の条件を満たした企業に限り、企業が自分のものにできる特例をもうける方向になった。報奨金の水準など具体的な条件は、今後詰める。

特許法は改正済みだが・・

   こうした方針に対して労働団体や専門家からは反対の声や慎重論が出ている。まず、個々の社員への見返りが少なくなって発明への意欲がわかなくなるというもので、政府部内にも「日本経済全体の技術革新の勢いが失われないか」と懸念する声が聞かれ、「発明者の待遇が悪くなると、技術流出が進みかねない」(労働法学者)との指摘もある。

   実は、「中村訴訟」を受け、2004年に特許法が改正され、会社と従業員は発明の対価について自主的に取り決め、双方が同意した内容を明文化することができる(契約や規則が合理的だと認められれば裁判所の判断より優先される)ようになっている。現場では、「改正法に合わせて新しいルールを作り、その後の実務の積み重ねで、ようやく運用が安定してきている」(弁理士)と、再度のルール変更を疑問視する声がある。

   実際、発明した社員に対し、特許の登録時に数万円を支払い、その後も特許で得た利益の数%から十数%を毎年支払うといった制度を整備し拡充しているケースも珍しくない。例えば武田薬品工業は、1998年に全世界での売上高に応じて、報奨金を支払う「実績補償制度」を導入済みで、2004年には3000万円の上限金額も撤廃。三菱ケミカルは、特許を使った製品の営業利益などをもとに報奨金の支払いを決める特別な計算式を作っている。こうしたケースが、今回の改正方針でも社員に対する「十分な対価」と認められることになりそうだ。

   ただし、こうした対応はもっぱら大企業に限っての話。このため、経済界からも「企業に課す条件が厳しすぎると中小企業は対応できない」(中小企業団体)との不満が出ており、今後の検討は簡単にはいきそうもない。

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