2024年 4月 27日 (土)

野田前首相、小渕優子氏を叱りつつ異例のエール 「まだ若いのでしっかり出直して」

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   民主党の野田佳彦前首相が、意外な角度から小渕優子前経産相の政治資金問題に触れている。ブログで、かつての国会質問を皮肉りながら「脇の甘さに関しては、父と娘の間に天地ほどの差」などと批判しているのだが、同時に「猛省した上で、まだお若いのでしっかりと出直してほしい」「我々も襟を正さなければ」ともつづっている。

   内閣改造後のスキャンダルで攻勢を強める民主党の中では珍しく抑制的な発言だ。

野田総理と小渕総理には「天地ほどの差がある」と「けんもほろろに一刀両断」

野田前首相は比較的演説が得意だとされている(2012年6月撮影)
野田前首相は比較的演説が得意だとされている(2012年6月撮影)

   野田氏は首相退任後も週1回のペースで「かわら版」と題したコラムをウェブサイトで連載しており、10月27日のコラムで「天地の差」と題して優子氏に触れた。

   野田氏にとって、首相在任時に優子氏が行った国会質問は苦い経験だ。

   優子氏が自民党から代表質問に立ったのは11年10月31日の衆院本会議。恵三氏と野田氏の共通点が多いと報じられていることについて、優子氏は

「冷めたピザと言われた父と、ドジョウを自認される野田総理。私は総理のお人柄をよく存じておりませんが、もしかしたら人柄も似ているのかもしれません。しかし、直面する課題に対する姿勢は全く違います」

と踏み込み、組閣の方針や法案の成立スピードの違いを挙げながら、

「比べるまでもないことです。野田総理と小渕総理は、幾つかの点を挙げただけでも、似て非なるものどころか、天地ほどの差があるということをはっきり申し上げておきたいと思います」

などと批判した。

   この質問を野田氏は「けんもほろろに一刀両断されてしまいました」と振り返っており、

「私なりにリスペクトの念と親近感を持っていることだけはお伝えさせていただきたい」

といった答弁をするのがやっとだった。

親子では脇の甘さについて「天地ほどの差」

   野田氏のコラムでは、恵三氏への「リスペクト」の内容をこう説明する。

「中曽根康弘、福田赳夫という超大物政治家と同一選挙区であった小渕元首相は、ご自身を『ビルの谷間のラーメン屋』と称していました。そのような厳しい環境の中で、コツコツと地道に自らの後援会をつくってこられた元首相の政治姿勢に、私はどこか共感をおぼえていたのでした」

   さらに野田氏は恵三氏と対比させる形で、優子氏が多額の政治資金を相続したことを「ラーメン屋は大きなビルのオーナーになっていました」と表現。親子では脇の甘さについて「天地ほどの差」があるとした。

「だから、彼女自身が資金繰りで苦労したことも、その使途に関心をもったこともなかったのでしょう。会計処理も全て他人まかせだったのでしょう。その脇の甘さに関しては、父と娘の間に天地ほどの差があります」

   その上で、自戒の念を込めながらエールを送った。

「猛省した上で、まだお若いのでしっかりと出直してほしいと思います。同業である我々も襟を正さなければなりません」

浪人時には支持者に献金を直接受け取りに行って自分で領収書を書いた

   野田氏の説明によると、落選して浪人しているときも、月に1万円の個人献金をする支持者が50人いたという。その献金を支持者の自宅や会社に直接受け取りに行き、活動報告をしてその場で自分の手で領収書を書いた。野田氏はコラムで「忘れないようにしたいと思います」と結んでいる。

   野田氏は比較的演説が得意だとされ、優子氏の問題をめぐってここまで踏み込んだ発言をするのは、歴代の民主党代表では野田氏のみだ。

   例えば「現役」の海江田万里氏は辞任直後の10月20日の会見では

「引き続き説明責任をしっかり果たしていくべき」

などと攻勢の材料にするにとどまっているし、菅直人元首相に至っては「スルー」。ブログは脱原発の話題で占められており、それ以外の話題には興味を示していない。10月24日付の記事には宮沢洋一経産相が取り上げられたが、菅氏の関心事はあくまでもエネルギー問題。ブログも、宮沢氏がインタビューで

「原子力規制委員会が世界で最も厳しい規制基準をクリアしていると判断した」

などと答えたことについて質す質問主意書を送ったことを報告する内容だ。

   質問主意書には、

「間違った発言とすれば国民を欺く行為であるが、謝罪する考えはあるか」

というかなり攻撃的な項目もある。

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