2024年 3月 19日 (火)

ワタミ、「不採算」102店舗を閉鎖へ 創業者・渡邉氏「御心配をかけています」

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   居酒屋チェーンの「和民」を運営するワタミの業績不振が止まらない。人手不足の解消がむずかしい店舗や不採算店舗を対象に、2015年3月までに102か店の閉鎖を決めた。

   総花的なメニューがならんだ、従来型の居酒屋チェーンには、もうお客が集まらなくなっているということなのか。

「和民」「わたみん家」の客離れ、止まらず...

居酒屋「和民」や「わたみん家」が減っていく...(画像は、ワタミフードサービスのホームページ)
居酒屋「和民」や「わたみん家」が減っていく...(画像は、ワタミフードサービスのホームページ)

   ワタミが2014年11月11日に発表した14年9月期中間連結決算によると、居酒屋事業の不振によって、売上高は前年同期比3.7%減の777億円。営業利益が10億円の赤字、中期純利益は前年同期の5億円の黒字から41億円の赤字に転落した。中間期の営業赤字は株式を上場した1998年度以降で初めて。中間配当も見送る。

   通期(15年3月期)の業績予想も、11月7日に下方修正。100か店を超える店舗閉鎖に伴う損失を計上するなど、最終利益は30億円の赤字(14年3月期は49億円の赤字)になる見通し。当初の20億円の黒字予想から一転、2期連続で赤字となる。

   業績悪化による経営責任を明確化。取締役と執行役員の報酬を10月から2015年3月まで、月10~31%カットすることも決めた。

   長引く業績の低迷だが、その原因は国内店の9割を占める「和民」や「わたみん家」といった主力の居酒屋チェーンの「客離れ」にある。売り上げは消費増税の影響もあって夏ごろから大きく落ちており、同社でも新業態の「炭火焼き店 炭旬」や「TGI FRIDAY」などは順調に伸びているが、いわゆる従来型の居酒屋は「客が奪われている」(桑原豊社長)。

   10月の国内外食(既存店ベース)の実績は、前年同月と比べて売上高で3.2%減(全店ベースでは10.2%減)。客単価では2.8%増えたが、客数では5.9%減。14年度は6月に12.5%減となるなど、7か月もマイナスが続いている。

   こうした厳しい状況のなか、ワタミは客数の減少になかなか歯止めがかからず、店舗周辺のマーケットの回復が見込めない42か店について、追加撤退を決めた。これにより14年度中に閉鎖する店舗数は全体の15%にあたる102か店となり、15年3月の店舗数は554店となる見込み。

   店舗の閉鎖について、ワタミは「既存店の客数が前年比で伸び悩み、新たな業態への転換を進めたほうがいいのか、閉店するのがいいのか、1店1店精査しました。その結果の閉鎖です」と説明する。

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