2024年 3月 30日 (土)

総選挙で安倍政権圧勝 アベノミクスどうなる? 最大の誤算、急激に進む円安で「輸出が伸びない」

   アベノミクスが最大の争点だった解散・総選挙で与党が大勝し、安倍晋三首相の続投が決まった。

   2012年12月の政権交代から2年、アベノミクスの「大胆な金融緩和」と「機動的な財政出動」で円安が進み株価が上昇、デフレ脱却の機運が高まったのは事実だが、消費増税もあって物価上昇に実質賃金が追いつかない。富裕層や大企業以外は景気回復の実感を得にくいのが実情だ。

輸出産業は生産拠点を海外に移す

「誤算」を乗り越えられるか
「誤算」を乗り越えられるか

   アベノミクスの最大の誤算は、円安にもかかわらず輸出が低迷していること。円安が進むと原材料や食料など輸入品の価格が上がり、さらなる物価上昇を招く。足元の為替は1ドル=120円台に突入し、一段と進む円安が日本経済の先行きを不透明にしている。3年目に突入するアベノミクスはどこへ向かうのか?

   今回の総選挙の結果を見る限り、有権者は安倍首相の続投とアベノミクスの継続を信認する形となった。これまで2年間のアベノミクスで明らかになった最大の問題点は「円安にもかかわらず、輸出が増えなかったこと」だろう。物価上昇に実質賃金が追いつかない要因の一つも、円安によって輸入価格が上昇したのに対して、輸出が期待したほど伸びなかった点にある。

   2年前の政権交代当時、安倍政権は大胆な金融緩和で円安が進めば、輸出が増えて日本経済が好転すると踏んでいた。ところが、長期にわたり円高に苦しんだ自動車や電機など輸出産業は生産拠点を海外に移す「地産地消」を進めたため、円安となっても輸出は期待ほど伸びず、むしろ原材料や食料などの輸入価格がかさみ、貿易赤字は解消できなかった。

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