2024年 4月 28日 (日)

総選挙で安倍政権圧勝 アベノミクスどうなる? 最大の誤算、急激に進む円安で「輸出が伸びない」

政権公約を実現できるのか

   足元の懸念材料は、日銀の金融緩和で一段と進む円安だろう。為替レートは民主党政権末期の2012年秋から円安傾向となり、当時の1ドル=79円台から2013年12月には1ドル=105円台まで円安が進んだ。その後、日銀の追加金融緩和を受け、2014年10月には1ドル=110円台となった後、急速に円安が進み、足元では一時、1ドル=121円台をつけるなど、さらに円安が進む勢いだ。

   為替レートの適正水準を考える目安としては、日米のハンバーガーなど国際的に比較可能な商品の販売価格を比べる購買力平価がある。購買力平価は1ドル=100~105円程度とされるが、経団連の榊原定征会長は「一様に望ましい為替水準は言えない」としながらも、急激に進む円安ドル高について「中小企業や地域で負の影響を受けている企業があるので、政策的な目配りをしてほしい」と、政府に注目をつけている。

   エコノミストの間では「日銀がインフレ率2%の目標に固執し、さらなる金融緩和に踏み込めば急速に円安が進み、2%を大幅に上回る輸入インフレとなって、国民生活を直撃する」との声もある。果たして安倍政権は「企業の収益が増え、雇用や賃金の増加を伴う経済の好循環をさらに拡大し、全国各地へ波及を図る」という自民党の政権公約を実現できるのか。2017年4月の消費増税までの時間は限られており、安倍政権は難しい舵取りを求められている。

1 2 3
姉妹サイト
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中