夜逃げする歯医者も 深刻化する「乱立の余波」

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   「食えない」歯科医が増えているらしい。

   町の歯科診療所の数が年々増加するなか、その分競争が激しくなっているという。インターネットでも、「突然、廃業してしまった」「まだ治療の途中なのにどうしよう...」などといった声が寄せられ、「夜逃げ」同然でゆくえを晦ましてしまった歯科医もいるようだ。

  • 「町の歯医者」はもうからないのか?(画像はイメージ)
    「町の歯医者」はもうからないのか?(画像はイメージ)

歯科診療所数は毎年増えている

   厚生労働省が2015年10月28日に発表した「医療施設動態調査」によると、歯科診療所の数はこの8月末時点で6万8717件。前年同月と比べて7件増えた。このうち、個人が経営する診療所は5万5240件で、じつに80.4%が個人。いわゆる「町の歯医者」で、国や地方自治体、医療法人などが営む歯科診療所(施設)を圧倒している。

   歯科診療所の数はよくコンビニエンスストアの数と比べられるが、コンビニ数は15年9月末で5万3108か店(全店ベース、日本フランチャイズチェーン協会調べ)なので、「町の歯医者」だけでそれを上回っていることになる。

   しかも年々増加しており、厚労省の年ベースで比較できるデータによると、2013年10月末が6万8701件で、前年同月と比べて227件(0.3%)増えている。景気がさえなかった2000年代前半には横ばいから減少傾向をみせたものの、20年前の1993年と比べると1万2795件(22.9%)も増えた。

   いまや都心部を中心に、住まいやオフィスの近くに複数の歯科診療所が並んでいるということも、それほどめずらしいことではないわけだ。

   そうした中で、廃業(移転を含む廃止数)に追い込まれている歯科診療所も少なからずある。歯科診療所の廃止数は、2013年に1405件。このうち、個人の診療所が1180件、84.0%を占めていた。なかなか1000件を下回らない。

   歯科医が高齢を理由に診療所を閉めることもあるが、なかには経営が立ち行かなくなり、「突然、閉めてしまった」診療所もあったという。

   そんな歯科医に出くわしたのだろうか、インターネットには、

「思えば、いつからだか助手の人とかいなかった」
「別に通ってなければいいのだけれど、突然だと次を探すのが面倒なんだよね。なんとなく善し悪しあるし」
「これって最近のあるあるだね。近所の歯医者の看板、2、3か月前に変わったわww」
「そんなに下手な先生じゃなかったと思うんだけどな。腕と経営は違うんかな」

などといった声が寄せられている。

   ちなみに、2013年の開業数は1707件。このうち個人の歯科診療所は1405件と82.3%を占めた。

「最近は虫歯の治療に来る子どもがめっきり減った」

   最近は「歯」を気にする人が増え、デンタルケアは欠かせなくなってきた。虫歯や歯槽膿漏などの予防・治療と、歯科医にかかったことのない人のほうが少ないかもしれない。歯科医へのニーズはまだまだあるし、「なり手」も多くいる。

   とはいえ、少子高齢化で人口減少が続くなか、将来的には患者は減る。ある歯科医は、「最近は虫歯の治療で診察に来る子どもの患者さんはめっきり減りました」と話す。

   患者が減るなか、歯科診療所は増え続けることで過当競争が起っていることは間違いない。

   さらには、開業後もなかなか赤字を抜け出せないとの見方もある。診療所の医療設備への投資がかさんでいるうえ、診療報酬が上がらないなどで「ジリ貧」に追い込まれることが少なくないという。

   歯科医といえば、もともと高収入のイメージがある。とても「夜逃げ」とは無縁と思われていたがそんなこともなくなった。腕がよければ患者も増えて、経営が安定するといったことも、期待できなくなっているのかもしれない。

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