2024年 4月 19日 (金)

こんな投票できれば(2)【参院選2016】
子供も1票持つ「ドメイン投票」

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   2016年夏の参院選(6月22日公示、7月10日投開票)に合わせて、J-CASTニュースが海外の例や専門家らの提案をもとにユニークな「選挙制度」を紹介する連載企画。第2回は「ドメイン投票」だ。

   この方式は、投票年齢未満の子供にも1票を与える仕組みで、高齢者の声が優先されがちな世代間格差を解決する糸口として注目を集めている。

  • 「子供に1票」でどう変わる?(画像はイメージ)
    「子供に1票」でどう変わる?(画像はイメージ)
  • 「子供に1票」でどう変わる?(画像はイメージ)

若年世代の利害を親が代わって反映させる

   公案したのは米国の人口統計学者、ポール・ドメイン氏だ。1986年に書いた論文の中で提唱した。

   子供に1票――といっても実際に子供が投票先を決めるわけではない。保護者である親が代理で投票をすることが想定されている。具体的には、子供が2人いれば父親と母親が1票ずつ。子供が1人ならば、母親と父親が0.5票ずつ余分に受け持って投票することが考えられている。

「民主政治では、投票者の主体が高齢者になると、どうしても若年世代の行く末に無関心になりがちで、国家がどう長期的に生存するかという事に対する関心が低くなります。そのため、投票権を与えられていない未成年の意見を反映させるような選挙制度に変更すべきだと思っています」

   ドメイン氏は2011年の来日時、このように意義を説明している(総合研究開発機構の対談資料より)。

   少子高齢化が進む日本では、票につながる多数派の高齢者の政治的な声が増すばかりだ。政治家も高齢者層にウケのいい政策を優先的に打ち出し、若年層の意見は反映されにくくなる。いわゆる「シルバー民主主義」と呼ばれる状態である。

   日本では年金問題や社会保障制度の抜本的な改革が先送りされ、勤労世代への負担が増加する世代間格差が拡大している。

   だが、幼い子供とその親の政治的な声が大きくなれば、長期的な視野で考えられた政策が選ばれる可能性が高くなる。さらにドメイン氏は、この方式が子供を産むインセンティブになり、有力な少子高齢化対策の1つになる可能性があるとも主張している。

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