「この国は、女性にとって発展途上国だ」 POLAのテレビCMに共感相次ぐ

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   化粧品などを製造・販売するポーラ(POLA、東京都品川区)のテレビCMが、ネット上を「ザワつかせている」。CMコピーは「この国は、女性にとって発展途上国だ」。

   出演する女優の顔に笑みはない。コピーを命じられた女性や、会議出席者全員のコーヒーカップを1人で片づける女性が、会社の中の「不条理」を表現する。挑戦的なコピー、CM内容だが、「なんか刺さった」「そうだそうだと思った」とネットで共感の声が集まっている。一体、何の目的で作られたのか。同社に聞いた。

  • 異色のCMはなぜ生まれた(画像はポーラの公式サイトより)
    異色のCMはなぜ生まれた(画像はポーラの公式サイトより)

「限られたチャンス、立ちはだかるアンフェア。」

   CMは、16年7月21日から8月3日(一部地域は7月27日)にかけてテレビで放映。現在はYouTubeで視聴できる。

   かつて「ポーラレディ」、現在「ビューティーディレクター」と呼ばれる店舗販売員になりたい人へ向けた説明会「リクルート・フォーラム」が8月20日と27日、東京・名古屋・大阪・福岡で開催され、そのPRのため作られた。

   だが、従業員募集の広告にしては雰囲気が「暗い」。登場するのは、不安そうな顔で人ごみに立つ女性、コピー機の前に立つ無表情な女性、会議出席者のコーヒーカップを無言で片づける女性、デスクに腰掛け疲れた様子で腹をさする妊娠中の女性、化粧室でうなだれる女性。その背後で、

「この国は、女性にとって発展途上国だ。限られたチャンス、立ちはだかるアンフェア。かつての常識はただのしがらみになっている。それが私には不自由だ。迷うな、惑わされるな。大切なことは私自身が知っている」

と穏やかにナレーションが入る。華やかなイメージが強い化粧品メーカーのCMの中で、異彩を放っている。

   「こういう会社とか、こういうことってリアルにあるの? と悩んだ部分はあります」――同社宣伝部の担当者はJ-CASTニュースの取材に、CM企画時のエピソードを明かす。

   女性社員が7~8割を占め、女性役員も多く、「むしろ男性社員が気を遣うほど」女性が元気な同社。ビューティーディレクターもほとんど女性で、CMのような風景は社内・社外を問わずまったく見られないという。CMを見た女性役員には「こんな会社今どきあるの?」と指摘された。

「日本まだまだだよね」という思い

   ではなぜ、社内と180度違う雰囲気をCMに反映する必要があったのか。

「安倍内閣でも女性活躍が叫ばれる中、『女性が何の足かせもなく活躍できる環境は本当に整っているんだろうか、いや、日本まだまだだよね』『女性が本当に活躍するためもっともっとやるべきことはある』という思いがありました。そんな思いで、コピーに『発展途上国』と入れました」

   ビューティーディレクターは「何の枠組みもなく、男女の差もなく、やる気と意志さえあれば自己実現に結び付けられる」仕事。応募者の中心は20代~30代の若い女性で、転職者も多い。そうしたターゲットに会社のブランドイメージを伝えるため、担当部署はクリエイターと相談、「良い意味で世間をザワつかせられるかもしれない」とあえて挑戦的なCMを送り込んだ。

   その試みは今のところ成功していると言えそうで、担当者は

「お客様コールセンターに『励みになった』『よくやった』とお褒めの言葉をいただきました。『リクルート・フォーラムに行きたい』という方もいらっしゃったので嬉しいです。こんなに多くの問い合わせがコールセンターに来るのは珍しいです」

と明かす。

   ネット上の反響も大きく、テレビCM放映時から

「そうだそうだと思った」
    「女性をハッとさせる力がある」
    「なんか刺さった」
    「胸が熱くなりました」

と共感の声がツイッターに相次いでいた。

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