乗員乗客も「下船できない」 韓進海運破綻で日本にも影響が...

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   コンテナ船では世界7番手、韓国では最大手の韓進(ハンジン)海運の経営破綻の影響が世界中に広がっている。

   寄港や荷下ろしに関する費用の不払いを恐れ、入港を拒否されている船は約70隻。世界の海を漂流中だ。前代未聞の事態に荷主はもちろん、港を目の前に下船できない缶詰め状態の乗客や乗員が悲鳴を上げている。

  • 韓進海運の経営破綻の影響は日本にも(写真はWikimedia Commonsより)
    韓進海運の経営破綻の影響は日本にも(写真はWikimedia Commonsより)

「ナッツ・リターン」の兄弟企業

   発端は先月末、同社の経営再建策が手ぬるいとして銀行団に追加融資を拒まれ、韓国の裁判所に破産手続きの申請をしたこと。海運不況でコンテナ船運賃の低迷が続くうえ、オーナー家が支援に消極的なことが融資拒否の理由という。

   通信社のロイターによると、各地の海をさまよう貨物船に積まれたコンテナの数は約40万個、積み荷の価値は約140億ドル(約1兆4000億円)、荷主は約8300社におよぶ。

   韓進のコンテナ船の入港を拒否した中には日本の港も含まれていて、同社と取引がある日本の船会社や港への影響も避けられない。神戸港では、神戸市が韓進の空コンテナの滞留を避けるため、コンテナの移動、回収費用を補助する緊急措置を14日から開始したほど。

   韓進海運の負債は約55億ドル(約5500億円)。韓国ではナッツ・リターン事件で悪名をはせた大韓航空が兄弟企業で、同じ財閥に属している。韓進海運の経営難は以前からで、韓国では大韓航空の支援の遅れに批判が高まっている。

   米国の経済紙・ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同社は債権者による自社船や積み荷の差し押さえを防ぐため、今月初め、米国ニュージャージー州の裁判所に破産手続きの申請をしたという。

日本近海をさまよう船も

   荷主はもちろんだが、寄港を拒否された船に乗り合わせた不運な乗客や乗員は途方に暮れている。

   英国の公共放送BBCによると、日本列島付近を航行していたハンジン・ジェネバ号に乗船中の英国の美術大学院生レベッカ・モスさん(25)は「23日を海で」というカナダ・バンクーバーの美術財団のプログラムに、800人以上の応募者から選ばれた。バンクーバーから乗船し、今月15日に上海で下船する予定だったが、今も日本近海をさまよう羽目に。

   船には25人の乗員が乗り組み、食べ物や飲み物は数週間持つというが、船長もいつどこに入港できるか見当がつかない。彼女はインスタグラムによる取材を通じ、「2週間前に聞いたときは一時的なものと思っていた。今はどこかに寄港できる知らせを待ちわびているけど、先がどうなるか誰にもわかりません」と不安を隠せない。

   BBCの別の取材に、2週間前からシンガポール港に停泊中のハンジン・ローマの36歳の船長は、友達からもらったシンガポールのSIMカード付きスマホが外界の情報を得る唯一の手段という。韓国・釜山に住む妻と娘は1日も早い寄港と帰国を望むが、朗報は聞けないままという。

   荷主や乗員の家族は船会社に早急な対応を迫るが、金融支援のめどがつかない限り、船の「漂流」は続く。韓国紙・朝鮮日報日本語版によると、パク・クネ大統領は13日の閣議で、「韓進海運は自助努力が全く足りない」「企業が再建に努めず、政府がすべてを解決してくれるだろうと考える企業経営方式は決して黙認しない」と厳しく批判。韓国では相次ぐ財閥企業の失態やモラルハザードに、かつてないほどの不満やいらだちが高まっている。

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