2024年 4月 24日 (水)

金融危機「日本の教訓」 生かした英国「忘れた」日本

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   アメリカ発の世界金融危機の打撃を最も激しく受けたのはヨーロッパだと、国谷裕子キャスターが前振りで教えてくれる。その中でも財政破綻の瀬戸際と伝えられるのがアイスランドだ。番組はまず、この国の現地リポートから始める。

   規制緩和の流れを受けた1990年代末の銀行民営化、インフレを抑えるための10%を超す高金利を材料に、アイスランドは各国から資金を流入させ、金融ビジネス立国として急成長する。1人当たりのGDPでは世界5位に。金融ビジネスの中心的役割を果たしたのは、銀行の株主で自ら投資会社も経営する企業家たち。中世の海賊にちなんで『ヴァイキング』と呼ばれた。

アメリカ流市場万能主義の見直し

   その仲間は「ビジネスを通して世界を征服できるとさえ感じていた」と言う。彼らは自家用ジェット機を手に入れ、英国プレミアリーグのサッカーチームを買収する。最近、日本で似たようにふるまって没落した音楽家がいたことを思い起こさせる。

   それはともかく、9月15日に起きたリーマンブラザース破綻はこの国を直撃、流れ込んでいた資金が逆流、資金繰りに行き詰まった銀行は相次いで倒れる。同国の首相は「海外からの資金に依存する形で銀行をここまで肥大化させてしまった責任は政府にもある。このような成長がいつまでもつづくとは思っていなかったが、これほど急激に悪化することはだれも予測できなかった」と語る。

   危機はヨーロッパ全体に波及し、金融ビジネス先進国のイギリスも巻き込む。規制緩和の旗振り役だった首相ブラウンは、逸早く金融システムの改革を唱える。グローバル金融機関の監督強化など、公的な関与を強めるべきだというのだ。彼の変り身の早さを、スタジオゲストの伊藤隆敏・東大大学院教授は「自分のところに火の粉がかかってきて君子豹変した」と表現する。

   ブラウンは「日本からわれわれが得る教訓は、危機再発を防ぐシステムを作るためには迅速かつ断固とした行動をとらなければいけないということだ」と述べる。『失われた10年』を反面教師としているのだ。アメリカ流の市場万能主義を見直そうという彼の主張に追随したのがフランスの大統領サルコジだ。「21世紀型の金融システムを作り上げなければならない」と説くサルコジは、アメリカ、アジアを回って新たな枠組みの構築を働きかける。

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