2024年 4月 20日 (土)

改革とはこうするのさ ニューヨーク発オペラ新事情

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   ニューヨークのメトロポリタン歌劇場総裁ピーター・ゲルブ(54)は「クラシック界の変革者」と呼ばれている。「衰退しつつあった」(ゲルブ談)歌劇場再生のため、3年前の就任以来、さまざまな改革を試みて成果を上げてきたのだ。

世界の映画館で生中継

   「最も成功した取り組み」と国谷裕子キャスターが評価するのは、オペラのハイビジョン映像を世界の映画館で生中継したこと。その狙いを総裁は「生中継だと、その日の公演の出来はどうなるか、ファンには固唾を飲んで見てもらえる」として、「ファンの関心は歌手が高音を出せるかということだけでなく、その高音が美しく歌いあげられるか、10秒間20秒間、出し続けられるかを注目して見ている。それが非常にエキサイティングでスポーツ観戦と共通する」と説明する。

   映像も、歌劇の場面だけでなく、舞台がつくり変えられる様子、幕間のスター歌手インタビュー、楽屋、衣装部屋などまで捉えるドキュメント仕立て、それも、たとえば、ドミンゴを案内役に起用して見せるサービスぶり。31か国に配信し、今シーズンは世界で130万人の観客を動員する見込みだという。

   国谷が「観客が劇場に来なくなるのでは」と懸念すると、「生中継を通して、その劇場とファンのつながりを深めることが出来れば、次回はオペラハウスで生の上演を見てみたいと思うようになるはずだと確信していた。実際、そのとおりになった」と話す。

   ともすれば古めかしく固いイメージがつきまとうオペラを、現代社会とつながる芸術にしたいと、ゲルブは考える。トニー賞受賞のブロードウェー・ミュージカルの演出家、バートレット・シャーに「セヴィリャの理髪師」の舞台を任せたのもそうした意図からだ。

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