<テレビウォッチ>公務員改革の今後の手順を決める工程表づくりの会合に、カギをにぎる人事院総裁が欠席したことで、官僚の抵抗が表面化した。天下りを繰り返すいわゆる「渡り」を、「容認する」「認めない」と、麻生首相の発言が揺れたこともあって、足下をみられている感がある。

人事院は国家公務員の定員、給与管理、採用試験の実施などを司る人事システムの要。政府はこの機能を、新設の内閣人事・行政管理局へ移す構想だが、人事院がうんといわなければ、改革は動かない。
1月30日に工程表作りの会合を予定していたが、谷公士総裁が出席しなかったため、今週に先送りせざるをえなかった。甘利行革担当相は、「首相が主宰する会合に役人が出てこないなんて聞いたことがない」とカンカンだが、ことはもう少し複雑だ。
公務員にはスト権がないなど労働基本権の制約があるため、給与条件などを守るのが人事院の役割。また人事の公平性、つまり政治に左右されないという原則をも守るから、政府から独立した第三者機関になっている。
人事院が反対するのは、新しい制度では、こうした公務員の利益が守れないというのだが、これはたしかに理屈ではある。
しかし、渡辺喜美・元行革担当相は、「麻生内閣がなめられていることを象徴するエピソード。人事院はオール霞が関の防波堤になっている。霞が関の守旧派官僚がしっかり後押ししている」
谷総裁は、もと郵政事務次官から所管の財団法人に天下り、さらに通信衛星会社の会長に就いた「渡り」官僚の典型だ。昨2008年4月人事官に再任(各党同意)され、互選で総裁になっている。つまり首相にたてついても、罷免されないのが強味だ。
もともと天下りは、トップと同期の官僚が早期退職するという慣例とセットの問題。これをなくすためには、だれもが定年まで勤めるというシステムに改めないといけない。官僚はこれまで、天下りを含めて生涯計画をたてているから、当然強い抵抗が予想された。
これを乗り切るのは首相の決断しかないが、肝心の麻生首相はもともとこの問題に関心がなかった。発言もフラフラしている。この辺りが、官僚抵抗の底流というわけだ。
その麻生首相はきのう(2月2日)、「労働基本権を付与するかどうかも考慮する。3日に工程表を作る」といったが、先行きは読めない状況が続いている。
小倉智昭は、「去年暮れから、あっせんを認めるとか、渡りはやめようとかいってるが、相当もめますよね」
竹田圭吾は、「人事院のいう労働条件などは政令などでカバーできる。むしろ、心配なのは大臣に都合のいいような人事がおこなわれること。アメリカでは閣僚を議会が承認するが、日本は政府と党とが一体になっているから」
そこまでやる力量があるかどうかはともかく、膨大な天下りネットワークはなんとかしないといけない。
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