2024年 4月 19日 (金)

痴漢無罪判決で 減るのか冤罪?増えるのか被害??

   <テレビウォッチ>満員電車の痴漢事件で逆転無罪を言い渡した最高裁の判決を取り上げた。番組がコメントを求めた専門家は「相当大きな一石を投じた判決と思う」というが、判決の意味するところとは??

   名倉正博・防衛医大教授(63)=休職中=が2006年4月、小田急線車内で、女子高生(当時17)に7分間にわたって下着に手を入れるなどの執拗な痴漢行為を行ったとし起訴された。

   客観的証拠も目撃証言もなく、あるのは被害者の供述だけ。この供述に信ぴょう性があるとした1、2審では懲役1年10か月の実刑判決だった。

   しかし、最高裁は1、2審判決に対し「必要な慎重さを欠いた」と指摘し、異例の逆転無罪の結論を下した。

   最高裁は、満員電車の痴漢行為は客観的な証拠が得にくいうえ、被告も反論するのが難しいとした上で次のような根拠を示した。

   (1)痴漢行為が執拗なのにもかかわらず被害者は積極的な回避をしなかった(2)痴漢の被害にあって一度下車したにもかかわらず、再度同じ車内に乗って教授の隣に立ったなど、被害者の供述に疑いがある、というもの。

   判決後、被告にされた名倉教授は「食べ物がなくて泥棒に入ったのとは意味が違う(痴漢は)卑劣な犯行。本当に犯人だと思うのなら極刑にすればいい。なぜ中途半端な1年10か月なんだと思っていた」としたうえで次のように述べた。

   「不信感をいっぺんに拭って頂いた、信じられない胸のすくむような判決です」

   また、判決について法政大法科大学院の木谷明教授は次のように言う。「相当大きな一石を投じた判決と思う。いままで通りのやり方では通らないとはっきり言っているのですから、継続中の事件の判決に影響を与えますよ」。

   もっとも、判決にかかわった最高裁の裁判官5人は、被害者の供述の捉え方で意見が別れ、5人のうち無罪3人、有罪2人と痴漢事件の難しさを示した。

   映画にもなったように電車内の痴漢を巡る冤罪が多いという。白か黒かの判断が難しく、今回は多数決で逆転無罪となったが、その意味するところは何だろうか……

   冤罪を作らないためにも、被害に遭った女性がその場で行為中の犯人の手首を捉えるなど、明確な証拠を得たうえで訴える必要があるということか。

   この件では司会のみのをはじめ、コメントは皆無だったのが残念だった。

文   モンブラン
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