三国志ファンに怒られる? あえて言う「ラスト」への不満(レッドクリフPartII)
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<レッドクリフPartII ―未来への最終決戦―>80万人の大軍勢で迫り来る曹操(チャン・フォンイー)の魏軍に対し、劉備(ヨウ・ヨン)軍と孫権(チャン・チェン)の呉軍による連合軍はわずか5万人。
しかも曹操の策略によって疫病を蔓延させられた連合軍陣営からは劉備の軍が撤退し、絶体絶命の窮地へと立たされてしまう。しかし、それでも周ユ(トニー・レオン)と孔明(金城武)は起死回生の知略を張り巡らせていく……。
前作「レッドクリフ PartI」の戦闘シーンは一騎当千の武将たちによる大立ち回りだったのに対して、今回は大量の人員を投入した大合戦がメインになっている。降り注ぐ大量の矢や火炎玉に立ち向かっていく連合軍兵士たちの見事なやられっぷりには思わず身震いしてしまうし、クライマックスの海上戦では、大量の爆薬を使った大爆発の連続。PartIに引き続き、映画館の大画面で見てこそと思わせる出来だ。
ストーリーとしては原作である三国志演義にある程度沿って進んでいくのだが、ところどころで変更し、誰にでも見やすいエンターテイメント作品に仕上げようとしている。それ自体はいい試みだと思うが、かの有名な呉軍の将軍・黄蓋による苦肉の策もなぜか周ユによって不採用となり、少し拍子抜けしてしまった。そして、ラストシーンでは思い切って三国志演義の筋書きをぶっ壊してしまってもよかったのではないだろうか。
そうすると、もちろん賛否両論巻き起こりそうだが、あのラストだとどうしても消化不良で、思わず首を傾げざるを得ない。三国志という壮大な物語の一部分だけを抜き出し、ひとつの作品として仕上げるのはかなり困難な作業であったと思う。しかし、巨匠ジョン・ウーだからこそ思い切ったことをしてみてもよかったのではないだろうか。
ジャナ専 ぷー
オススメ度:☆☆☆