『貧困ビジネス』という嫌な言葉がある。先日、老人施設で沢山の入居者が亡くなった火災の事件で、この制作者はテーマを思いついたのに違いないが、全国にある無届けの劣悪老人ホームの1つを取材しているのだ。これが正に貧困ビジネスの現場である。
1部屋に7人も詰め込み、食費は1日たったの300円、顔に紗を掛けて取材を許されたそうだが、案内されたある部屋には、剥きだしの簡易便器があって、これは目の不自由な入居者がトイレに行くのを介護するのが手がかかるからと置いてあるものらしい。部屋の臭気は画面ではわからないが、使う人も臭気に耐えている人も地獄であろう。こんな場面を案内する所長の神経が既に異常である。ホーム側は生活保護費を全部取っているので丸儲けである。
カメラのこっち側の取材者が居丈高に詰め寄る言葉はいささか嫌味だが、新聞記者が百万言を使って表現するより、1シーンのテレビ映像の方が訴える力が強い。よく撮れたと褒めてやりたい場面もある。サブタイトルに『無届け老人ホームの闇』とあったが、闇に光を当てる粘り強い追跡が今後も期待される。
テレビ番組は往々にして映像さえ取れればそれで終わり、ということが多い。超高齢化社会は進みこそすれ減りはしないので、今後益々こんな施設が増えるだろう。スッポンのような追跡取材を全国的に展開してもらいたい。とても民放では実現不可能であるから。
(黄蘭)

関連記事
ツイート数ランキング
おすすめワード
【スポンサードリンク】
|