2024年 4月 19日 (金)

大借金国の「財源論」 民主マニフェストの夢と現実

   <テレビウォッチ>民主党が衆院選向けのマニフェスト(政権公約)を発表した。その内容はかなり魅力的だが、800兆円もある借金財政の中で、さてどこから財源を??

   実現には不安もあると、番組が取り上げた。

   鳩山代表は「官僚任せの政治が結果として無駄遣いを生んだ。国民が主役になる政治をつくる歴史的な転換期」と、政権交代を位置づけている。

   不安があってもこの際大転換が必要と判断するか、慣れ親しんだ自民党中心の政権に肩入れするか、その選択が8月30日の総選挙で決まる。

   今回のマニフェストは、あまりに評判がいいので、前倒しの発表となったらしい。

   確かに、「生活不安の解消」を掲げて子ども手当の支給や高校無償化を盛り込んだ「約束」は、子育て中の家庭にとってかなり魅力的だ。

   中学卒業までに1人当たり年間31万2000円の支給を決めている。初年度の2010年度は半額、11年度から全額支給という。

   リポーターの長谷川豊が、自ら1歳、4歳、8歳の子供を引き合いに出し、「全額支給で年93万6000円がもらえます」と。

   しかも、これだけではない。教育支援策では、高校無償化や大学への補助拡大。さらに高速道路無料化、ガソリン税暫定税率の廃止なども掲げている。

   この大盤振舞いで、子ども手当の実現に必要な予算は、出産支援(55万円)を含めると11年度以降、毎年5兆5000億円にのぼるし、重点施策だけで13年度には16兆8000億円の財源が必要になる。

   当然、現政権からすると「どこから財源を」となる。が、民主党はムダ遣いを徹底的に無くし、今の一般会計、特別会計総額207兆円の予算を組み替えて財源の捻出はできるという。

   ただ、民主党は「政府与党が資料を出さないので、国の財布や金庫の中身が分からない」という逃げ場もつくっている。だからといってやたらと大盤振る舞いしていい理由にはならないのだが……

   ニューズウィーク日本版編集長の竹田圭吾が「財布や金庫の中身が分からないという主張は正しいと思う。自民党政権でいかにムダ遣いが多かったか我々は知っている。その1点だけでも、政権交代の意義はあると思う。明治維新に匹敵する施策だが、これをやる必要があるんじゃないか」と、官僚政治から脱却する必要性を。

   ただ、竹田はマニフェストの中身について「子ども手当に関して言えば、一律に支給するのはどうか。母子家庭とか経済力が弱いところにウエイトをかけた配分をすればいい。子供がいる、いない家庭を分けて対立を煽るようなのはまずい」とも。

   確かに、マニフェストは雑な部分が目につく。高速道路無料化もいいが、車を運転しない人やメンテナンス費用のことを考えるといかがなものかとも思う。

   明治政府が作り、がっちりと根が張った官僚政治機構。もはや時代に合わなくなったその機構を変えるチャンスかもしれないが、民主党にこの大事業ができるのかどうか……

文   モンブラン
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