2024年 4月 25日 (木)

「痴漢冤罪の判断」伝えぬ番組 裁判官「国民審査」の意味

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   <テレビウォッチ> 今日(8月28日)は、「ニュースな言葉」で国民審査を取り上げた。衆院選投票と同時に行われ、対象の最高裁裁判官のうち罷免すべき人物に不信任「×」をつける。不信任が有効票の過半数なら罷免になる。

   小木逸平アナがいろいろと説明した。これまで行われた20回の国民審査で、罷免された裁判官はゼロだ。今回は9人が対象で、経歴や「好きな言葉」などを記した公報が配られている。しかし、「関与した主な最高裁判決」の記載はあるが、どういう判断を示したかについて、同じ案件での比較・検討のしようがないことも伝えた。民間団体が様々な情報をまとめており、それらを総合すればそれなりの情報を得ることができるが、そこまで実行する人は少なそうだ。説明全体として、「肝心の情報が少ないため国民の関心が低く、形骸化している」という流れだった。

   注目された最高裁判決の例として、今2009年春の防衛医大教授の痴漢事件逆転無罪判決が話題に上った。判決では、最高裁裁判官5人のうち、無罪主張3人、有罪2人という判断だった。小木はここでも、この裁判に関する関係裁判官の主張を比較することが難しい、と指摘した。週刊朝日編集長の山口一臣は、今回の審査対象9人のうち、「無罪主張した人が2人、有罪の人が1人いるんですよね」と指摘。話はここで制度全体論へ戻り、「形骸化しており、裁判員制と合わせて見直すべき」との意見が出てそのまま全く別の話題へ移ってしまった。無罪・有罪主張の裁判官の名前には触れないままだった。番組内で名前を出すのは、公平性の観点から問題があるとでも思ったのだろうか。

   番組は、「関与した裁判の判断の情報がない・乏しい」などと他人ごとにように嘆いている場合ではなく、可能な範囲で裁判官の「判断」を公報の情報を超えて視聴者へ紹介すべきだったのではないだろうか。

文   赤坂和郎
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