たいしたもんだ!「興南」が決勝戦で見せた余裕と自信
<全国高校野球決勝戦(8月21日午後1時50分~)>クソ暑いのとヒマなのとで、ずうっと甲子園を見てました。とくにベスト16からは全試合を試合終了まで。今年は超高校級という選手はいませんでしたが、近年になく面白かったですね。とくに、優勝した沖縄の興南はこの夏一番の感動でした。
クソ暑いこの夏一番のさわやか感動
決勝戦の興南と東海大相模は、「13対1」という点差ほどには実力に差はなかったように思います。ただ、興南には余裕みたいなものを感じましたね。夏の大会では初の沖縄代表優勝、春夏連覇がかっていたのですから、もっとガチガチになってよさそうなものですが、まったくそれを感じさせませんでした。
端的なのがピッチャーの島袋洋奨。それまで速球中心で勝ち上がってきたのに、決勝戦ではいきなり変化球投手になっちゃった。東海大相模はこれに面食らって打ち崩せなかったわけですが、こんな芸当ができるのはやはり自信だけじゃなく、精神的なゆとりがあるからでしょう。
それを育てたのは我喜屋優監督だと思います。学校の理事長でもあるから、だれにも遠慮せず選手を指導できるということもあるでしょうが、まず生活面、教育面をきちんとしてから野球を教えるという姿勢が、選手たちに多少のことには動じないたくましさを身につけさせたと言えそうです。勝利監督インタビューを見ていても、まあ、なかなかの人物だと思いました。
全国から有力選手が集まったり集めたりする高校が多いなかで、ほとんどが沖縄出身、いまどきの高校球児としては体格的には小粒の興南が優勝したことは、本来の高校野球を見せてもらった気がしました。
いまでも覚えていますよ。1958年に沖縄から初めて首里高校が甲子園に出場して、まだアメリカ統治下だったのでパスポート持って、甲子園の土を持って帰ろうとしたら、沖縄の税関で捨てさせられて泣いていたニュースを。それがいまや沖縄は「野球王国」というわけですから、時代の変遷を感じますよ。でも、あれから50年以上ですからそれも当たり前ですかね。
普天間問題もあって、日本中が沖縄を応援したい気分の中でさわやかな野球がまた素敵でした。
準備よし いまや余裕で 勝つ強さ