2024年 4月 26日 (金)

法人税引き下げ―給料上がらず企業の内部留保に回るだけ

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   菅政権が雇用促進を狙って5%の法人税減税を決めたが、その減収分を補うため富裕層を対象に所得控除や相続税の基礎控除など、非課税部分を縮少する増税策を打ち出した。

   さて、それだけで済むのかどうか。「スパモニ」は経済ジャーナリスト・荻原博子に国民生活への影響を聞いた。

   菅政権は法人税減税で雇用や投資にカネが回り、従業員の給料アップ、消費刺激でデフレ脱却できるという。菅首相は経団連の米倉弘昌会長を官邸に呼んで、「ぜひ雇用促進をお約束いただきたい」と訴えたが、根回しをしてなかったのか、返事は「当然のことながら、約束というわけにはいかんですね」

   米倉会長が約束できない理由は「経営者は自分の企業を強くするのが仕事」という。荻原はこう解説する。

「法人税を払っているのは儲けている大企業で、全体の3割。その儲けた分は内部留保や株式の配当に回っているんですよ。企業の内部留保はこの10年間で100兆円に達しています」

   ことあるごとに政府の支援や助成を受けている企業経営者は、国民生活の安定があってこその経営なのだから、自社を強くするだけが能ではなかろう。

富裕層増税でも1兆円不足

   ジャーナリストの鳥越俊太郎は「そこはなんとか雇用に回してもらわないと5%減税は納得できませんよ」と話す。

   ただ、今回の法人税減税で1.5兆円が減収になり、減収分は富裕層への増税分を充てるとしている。しかし、増税による収入増見積もりは約4100億円にすぎない。1兆円以上足りない。ジャーナリストの大谷昭宏は「場当たり的で、帳尻合わせにもなっていない」と言う。

   作家の若一光司「理念的な未来像を説明して、逆算して決めるべきであって、小出しにやっていることが将来的社会像につながっているのか疑問だ」

   さんざんバラマキをやったあと、次にやってくる増税策を考えると寒気がしてくる。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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