2024年 4月 18日 (木)

「W現代」「Wポスト」追及の八百長ついに証拠―歴代横綱を公開査問しろ

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   大相撲が断末魔を迎えている。新聞は「大相撲を揺るがせた野球賭博に続いて噴出した八百長疑惑」(東京新聞2月3日朝刊)と大騒ぎしているが、もともと、「週刊ポスト」や「週刊現代」が「大相撲に八百長が跋扈している」と告発してきた長い歴史の中で、野球賭博問題が明るみに出てきたのである。

   2000年1月に日本外国特派員協会で、元小結・板井圭介氏が「八百長告発会見」を行い、横綱・曙や大関・千代大海らを「八百長力士」と名指し、自らも曙戦で八百長をしたことを告白した。この告発は最初に現代が取り上げ、ポストが引き継いでいくが、相撲協会は無視し続け、スポーツ新聞も取り上げなくなっていった。

   07年には現代が朝青龍の八百長疑惑を取り上げ、大きな話題を呼んだが、相撲協会は週刊現代を発行する講談社に対して民事訴訟を起こし、09年に東京地方裁判所は「記事の内容は真実でない」として、講談社に4290万円を支払うよう命じる馬鹿げた判決を出している。

   このとき、北の湖理事長(当時)が「相撲界に八百長はない」と証言しているし、今回も放駒理事長が「過去には一切なかった」などと、大相撲にはびこってきた八百長体質を隠蔽しようと躍起になっている。

   だが、今回はメールという証拠が存在する。こうなったら蜥蜴のしっぽ切りで終わらせることなく、北の湖や曙、朝青龍を呼び出して公開で査問し、徹底究明することはもちろんのこと、相撲協会を一度解体して一から出直すぐらいの覚悟がなければ、相撲が生き残る道はない。

   今週は間に合わなかったが、次号でポスト、現代がこの問題をどのように料理してくるのか、楽しみに待ちたい。

大丈夫か!? ネットは政治家にとって有難い存在

   さて、今週も小沢一郎氏が強制起訴されたことで、菅と仙谷が小沢問題に決着をつけられるのか、または小沢一派の反撃に遭い、辞任に追い込まれるのかと侃々諤々だが、目を通した限りでは、小沢氏やや有利と読む週刊誌が多く、菅首相が劣勢を跳ね返すには、「週刊文春」が「菅直人首相『解散決意』の重大告白」で触れているように、鳩山、小沢を公認しない「やぶれかぶれ解散」しかないのかもしれない。

   小沢氏は週刊誌やインターネット・メディアの支持を受けてご機嫌のようだが、朝日新聞(2月2日朝刊)で若宮啓文氏がこう一刺ししている。まず、最近の週刊誌に小沢インタビューが多いことに触れ、文春の「新聞には、機会があるたびに、誰でもいいから社を代表する人に出てきてもらって、公開討論会で大いに議論しようじゃないか、と呼びかけているんですが、出てきたためしがない」という発言に、驚いたと書いている。

   本当だろうかと、取材現場の記者たちに確かめてみるが、「少なくとも小沢氏をめぐる事件が表面化して以来、そんな呼びかけは聞いたことがない」という声ばかり。朝日新聞もインタビューを申し込んでいるが断られ続けているから、喜んで申し入れたいと挑戦状を突き付ける。

   また、ネットでのインタビューが多いことにも触れ、聞き手は感心したり同調したりの連続だが、小沢発言にも少しは疑問をもって、二の矢、三の矢を放たねばと、ネットのインタビュアーに苦言を呈している。

   ポストが1月27日にフリーやネットの記者の有志が主催する「小沢一郎記者会見」が開かれたことに触れ、これで記者クラブを覆す一手が打たれたと書いている。その『歴史的』な会見で小沢氏はこう語った。

「最近はインターネットを始め、いろんな形の媒体が増えていますので、少しでも国民のみなさんに正確な、そして公正な情報が伝わるようにしなくてはいけない」

   この「公正」は、小沢氏にとってのものであることはいうまでもない。話したいことだけをしゃべり、嫌な質問は笑ってごまかすのでは、政治家の自己宣伝の場になりかねない。「AERA」でこのとき一緒に出ていたジャーナリスト神保哲生氏はこう語っている。

「マスメディアのフィルターがかかっていない情報がたくさん出てきて、騙されやすいという指摘もあるかもしれないが、心配はしていない。ネットはすべてがさらされるのでむしろ、政治家の方が両刃の剣だ」

   かつて佐藤栄作氏が総理を辞任するとき、会見場から新聞記者を追い出し、テレビカメラの前で一方的に話している異様な生中継を見たことがある。新聞は批判ばかりする。新聞は自分のいったことをそのまま書かない。それが新聞を追い出した理由だった。

   その当時の新聞は、権力者に嫌がられる存在としてあったようだ。いまはそうした毒が薄まり、画一的な官報のような紙面が目立ってならない。

   新聞以上に無批判とまではいわないが、自分たちの言い分を一方的に話すことができるネット・メディアは、政治家にとって有難い存在になってきているのかもしれない。

   これからは見る側のネット・リテラシー力を高めないといけない。政治家が話していることと腹の中が違うことは、これまでの歴史が証明しているのだから。

 

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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