2024年 4月 24日 (水)

原発事故「最悪の事態」では何が起こるのか?

   東日本大地震の被害を受けた東電・福島原発の異常事態が止まらない。ドミノ倒しのように、危険なトラブルが発生する。今朝(2011年15日)も「スッキリ!!」の放送開始直後、2号機で爆発音があったと緊急ニュースだ。午前6時10分、圧力抑制プールが損傷したという。原発を長年取材してきた日本テレビの倉澤治雄が解説する。

   倉澤によれば、2号機に関して悪い情報といい情報がある。懸念材料は今朝あったという圧力抑制プールの爆発音。圧力抑制プールは原子炉格納容器の蒸気を冷やすために水を貯蔵しているところだが、この爆発によってどのように破損し、今後どういう影響を与えるかはまだよくわからないという。

   良い方向を示す兆候は原子炉圧力容器内の水位が上がったことだ。一時、燃料棒が空だき状態になって溶けだす危険があった。しかし、15日朝の時点では約4メートルの燃料棒の下から1.3メートルぐらいまで水位が上がり、最悪の事態は免れそうだという。

   1号機と3号機は外側の建屋が爆発によって損壊したが、原子炉圧力容器には海水の注入が進み、燃料棒が冷やされ落ち着いた状態になっている。

放射性物質が大量飛散

   これで安心できるのか。キャスターのテリー伊藤が聞く。

「専門家がよく最悪の事態といいますが、最悪とはどんな事態をいうのですか」

   倉澤「燃料が溶けて容器の下にたまり、核分裂が起きて放射性物質が大量に外へ出ることです」

   旧ソ連のチェルノブイリ原発事故だ。その事態はひとまず回避できそうというが、想定外のことが次々に起きている。

   原発の近くに住んでいた人たちの多くは、50キロほど離れた福島県三春町に避難している。原発の建設に携わった人もいる。広い体育館にはテレビは1台しかないが、原発爆発のニュースを見て、「恐れていたことが起きた」「残念だ」と一様にショックを隠せない。涙ぐむ人もいた。厳しい避難生活の中、原発被害への不安も募る。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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