途方に暮れる被災自治体―応援頼みたくても「周辺すべて壊滅」
2011.03.29 18:00
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すき間埋める救援ボランティア
広域災害はボランティアの足も止めた。神戸のNGOの吉椿雅道さんは阪神大震災、四川大地震を経験している。3日目に南三陸町に入ったが、拠点がつくれなかった。
「行けども行けども被災地で、ここまで広範囲だとは」
内陸に入ったが、今度はガソリンがない。結局、NGOは派遣を見送った。吉椿さんは山形・米沢の学生と石巻に入る。小学校の体育館の泥のかき出しをしたあと、「足湯」をやった。避難所のストレスから亡くなる人があったからだ。「生き返った」と避難所が笑顔になった。「人がついていれば、死なない」と吉椿さんはいう。
その後、東京で全国の50以上のボランティア団体が集まり、拠点情報交換の仕組みを作った。その結果、石巻に拠点があるという情報が入って、NGOは21人を送り込んだ。津波から17日目である。
室崎教授「小さなすき間はいっぱいあるが、これはボランティアにしか埋められない。疲れている人を後からの人が埋めるというのもそれ。いまこそ全国から行ってほしい」という。
あまりにも広域、地域崩壊の危機、さらには原発のリスクーーだれにとっても未体験の事態だが、ようやく動き出したように見える。必ずや結果を見せてやろう。世界中が見ているのだ。
*NHKクローズアップ現代(2011年3月28日放送「被災自治体を救え 『超広域災害』の衝撃」)
文
ヤンヤン