2024年 4月 19日 (金)

避難15万人「復興と苦悩」―再び津波覚悟で海の仕事か、住まい優先か

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   海とともに生活してきた人たちが、その海のために住まいと仕事を失った。どう暮らしを再建していくのか、震災から1か月たったいまも、先の見通しはたっていない。何が問題なのか。

養殖地区住民「仮設住宅を海近くに」

   宮城・南三陸町で3日(2011年4月)、集団避難で去る住民を佐藤仁町長は「1日も早くお迎えに参ります」と送り出した。だれ1人この土地を離れたくはない。が、いまだに電気も水道もない避難所に8000人である。健康の問題だった。

   町が直面しているのは、仮設住宅を建てる土地の確保である。4000世帯分が必要だが、安全な高台の土地は1000世帯分しかない。これに仕事の確保や再建の問題がからむ。73ある地区の要望は一様ではない。

   海沿いの清水(しず)地区はワカメ、ホタテの養殖が主だったが、津波で壊滅した。養殖は共同作業だから、再興するにも住民が一緒でないとできない。だから仮設住宅も海から700メートルの小学校跡地へ建ててくれという。津波でやられた土地だが、「裏の高台へ逃げれば大丈夫」という。

   町の中心の中瀬町地区は農家、会社員、自営業者とさまざまで、すでに43世帯が他町へ避難した。自分たちで仮設の場所を探してきたのだが、20世帯分しかなかった。ただ、仮設ができたら集団で帰ってくると決めている。

   佐藤町長は「100%を求められても、55~60%で我慢してくれ。みなさんも覚悟してくれ」という。

   状況はどの被災地も同じだ。NHKが岩手、宮城で調査したら、「仮設ができるかどうかわからない」が4割だった。着工はまだ1割。土地が海に浸かってしまっているのだ。

   室﨑益輝・関西学院大教授は「阪神淡路にはなかった大きなカベがある。膨大ながれきの量、財政にも土地にもゆとりがない。それと津波のリスクだ」という。

「海の恵みで生きてきた人たちだから、コミュニティーのつながりも重要。どちらも生かさないといけない」
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