2024年 4月 26日 (金)

妻が告発!消費増税仕掛人・元国税庁長官あまりに姑息な「脱税」「重婚」疑惑

長女に「国民年金なんか払うな。俺は厚生省で年金のスペシャリストだったんだ」

   今週1番の注目記事は「週刊朝日」の「正妻が告発!『脱法重婚』で妻2人 元国税庁長官に脱税疑惑」だ。脱税疑惑を指摘されているのは大武健一郎(65)。財務省主税局と国税庁で一貫して税制改革に携わり、「税と社会保障の一体改革」と「国民総背番号制」を唱え、今の消費増税案の礎を築き上げ、国税庁長官にまで上り詰めた御仁で、告発したのはその妻・満里子(61)である。

   大武は2005年7月に国税庁長官を退官し、数々の天下りを経て、多くのメディアにも出ている財務省の大物OB。満里子はこう訴える。

「夫は退官後も公人です。公人の妻として、税金を払ってくださっている国民の皆さまに今、真実を知って頂くのは、私に与えられた責務だと思いました。手帳、通帳、確定申告などを調べた結果、官僚時代に給与外所得(講演料、原稿料等)を数百万円も過少申告し、『脱税』していました。さらに職権を乱用し、先輩である歴代の財務事務次官、国税長官の方々の年収を調べたり、愛人にせがまれるまま人事情報を漏洩したりし、公僕にあるまじき行為をしていたのです」

   妻が言うには、大武は結婚以来、預金通帳や給料明細を一切見せず、収入の一部を現金で手渡してきたという。長女が20歳になり、区役所から国民年金を納付するよう連絡が来たとき、大武は繰り返しこういったという。

「国民年金なんか払うな。将来は破綻してもらえないから損をする。俺は厚生省で年金のスペシャリストだったんだぞ」

   この発言だけで罪万死に値するはずだ。妻が退職後に公務員住宅を出て住む家を探そうとしたところ、預金が財形貯蓄の500万円しかなかったことがわかり、ローンの相談をしているとき、彼女に馬乗りになり首を絞めたという。そして07年1月以降は1度も帰宅しなくなってしまった。

愛人を父親の養女にして実家相続

   09年9月に満里子が夫の部屋を片付けているとき、12冊の黒い手帳を見つけた。そこには講演料、勉強会謝礼など給与外所得と思われる記述があった。それによると、92年から94年の3年間だけで1000万円近くの『脱税』をしていた疑いが濃厚だという。

   藤井裕久、安倍晋三、松本龍などの政治家からの金額も書いてあり、朝日が取材してみると、松本議員は事務所を通して「大武氏へ10万円を現金で払ったのは事実です。(中略)勉強会のお車代だと思います」とコメントした。ほかにも、主税局の有力な天下り先である税理士団体から「副収入」を得たかのような記述も並んでいた。この金を夫はA女という51歳の彼女に使っていたのだ。妻がこう語る。

「手帳を解読した結果、A女と夫との交際は86年以降、1700回以上も記され、A女に対し、11年間で計3800万円以上の飲食費、宿泊代などの出費があったと記されていました。(中略)夫の使途不明金の多くが彼女へ流れていたのです」

   夫は家を出てからA女と暮らしているのかと妻は思っていたが、父親が住んでいた実家で別の女性と暮らしていることがわかったという。それも07年4月には彼女を父親の養女にして、1年半後に父親が死ぬと実家を相続させていたのだ。妻はこれを「脱法的な重婚」だと難じている。離婚が成立していないために考え出したやり方なのだろう。自宅を訪ねた記者にその女性は「妻です」といい切ったそうだ。

   直撃した朝日に対して、大武は弁護士と現役国税職員を引き連れて取材に応じた。講演料などの雑所得と確定申告された額が数百万円も違うが、脱税ではないのかと問う記者にこう答える。

「僕は現役中はビタ一文、謝礼はもらっていない。でも、講演料がいくらか主催者に聞き、将来、講演で自活するための参考資料として手帳に書いた。すべて僕の妄想だ」

   車代だとお金を渡したことを認めた国会議員がいたがと聞くと、同席した国税職員が身を硬くしたそうだ。泣く子も黙る国税庁長官の実態が分かって、すこぶるおもしろい記事である。

   小沢一郎の妻・和子の「離縁状」といい、今回のケースといい、げに恐ろしきは妻である。小沢も言ってはならないひと言「お前とはいつでも別れられるが、あいつ(永年付き合ってきた愛人=筆者注)とは別れられない」といったばかりに、人間としてだけではなく政治家としても「失格」であることを暴露されてしまったのである。

小沢一郎「妻からの離縁」不明朗なカネ・資産ばかりで財産分与どうなる?

   さて、その小沢一郎が49人をつれて離党した。自民党から出て以来4度目の新党結成である。「週刊文春」が掲載した小沢の妻・和子の「離縁状」は、小沢本人のみならず、今度の離党劇にも深刻な影響を与えた。親小沢派のメディアや小沢親衛隊からは「あの手紙は和子のものではない。筆跡が違うし、消費税法案採決に合わせた陰謀だ」という声が出ているようだが、スクープした松田賢弥記者は今週号でこう反論している。

「筆跡が和子のものに間違いないことは、われわれの取材に当初から複数の元秘書らが認めている。そもそも、当該記事の解説で書いた通り、私は手紙を受け取った支援者のうち三人から手紙の中身を聞いている。その内容は、私が独自に入手した手紙と一致していた。また三人のうち二人は手紙を受け取って驚愕し、すぐに和子に電話して話しているのだが、その中身も取材し、一部を記事に書いた。てんでんばらばらの場所に住む三人の支援者たちが、アポイントもなしに突然取材に訪れた私に語ったのだ。彼らも『陰謀』の片棒を担いでいるとでも言うのだろうか」

   また記事が出た後、和子に電話した支援者はこう語ってくれたそうだ。

「和子さんとは(6月14日に)あなたの記事が出た後も電話で話しました。和子さんは、『私は元気です。心配しなくても大丈夫。そちらのほうがマスコミに追いかけられていないか、心配です』と言っていました。(中略)別にめげている風もなく、至って元気そうでした」

   気になる慰謝料や財産分与だが、小沢の場合、個人の財産と政治資金をどう分けるかが難しい問題になるから、納得がいかなければ小沢が死ぬまで離婚しないで、半分相続するという手があると岡林俊夫弁護士が語っている。どちらにしても、政治的にも追い込まれ、家族からも見放された手負いの小沢が、最後の賭けに出ることは間違いない。彼が掲げる「増税反対、脱原発」を本気で貫けば、小沢は嫌いだが支持するという国民は多くいるはずである。

夏のボーナスうらやましいねえ…三菱商事40代課長480万円

   「週刊ポスト」の「有名企業80社 夏のボーナス」が興味深い。経団連がまとめた東証1部上場企業の今期の妥結状況を見ると、平均給与額は77万2000円あまりで、前年より率で3・54%、金額で2万8380円の減と、3年ぶりのマイナスになった。

   東京電力は当然ながら昨夏の組合平均40万1000円がこの夏は支給なし。昨夏より19万1000円ダウンしたのはソニー。自動車では昨夏よりダウンしたのは日産自動車、マツダ、ホンダ。マツダは他社に比べて海外生産比率が低く、円高の影響をもろに受けてしまった。積水ハウスは大震災や電力供給不安による特需を追い風にして14万3900円のアップ。テレビ局では視聴率で低迷するフジテレビだが、ボーナスは気前がよく昨夏より1・8%アップの約140万円。

   金融界も景気がよく、三菱東京UFJ銀行は40代前半の支店課長クラスで前年比5%アップの230万円前後。三井住友銀行も40代前半の支店課長クラスで約220万円だそうである。もっと驚くのは商社で、三菱商事は30代前半で約350万円、40代課長で約480万円。

   この中で、おやっと思わされるのはJALとANAのボーナスの差である。JALが約67万円、ANAが約39万円。JALは大規模なリストラで業績が回復したためだというが、膨大な公的資金を投入したのも返していないし、税金さえ払っていないのだ。株券を紙切れにして多くの株主に迷惑をかけたのに、近々上場する話まである。浮かれるのがちと早過ぎはしないか。儲けたカネは運賃を安くしてお客に還元するという姿勢を見せるべきではないのか。ANAの人間たちは怒りをもって見ているに違いない。

戦後闇市のような路地・中野の「川二郎」うなぎ串焼きの秀抜

   特別付録「安うま味酒覧」。今回は東京・中野のうなぎ串焼き「川二郎」である。中野北口ブロードウエイに突き当たって右へ曲がり、「路傍」という居酒屋を左へ曲がると古き良き飲み屋が並ぶ路地である。看板も小さくて見過ごしそうな入り口の狭い古びた店だが、東京でも数少ないうなぎの串焼きの店の中では随一といわれる名店である。串焼きは開いたうなぎが筏になって並んでいるのではなく、1本の串に巻かれているのだ。

   行った日は8時過ぎだったため品切れが多く、湯がいたゴボウにうなぎを巻いた八幡巻きと銀杏、ネギ焼き、うなぎの白焼きと蒲焼きを頼む。大山をコップでやりながら、まずは八幡巻き。戦後の闇市もかくやと思わせる煤けた店内だが、うなぎを焼く店主と女将さんはまだ若い。二代目なのだろうか。

   ようやく白焼きと蒲焼きの登場。やや小ぶりだが、口に入れるととろけてしまう。うな丼もあるが我慢。2人で酒6杯でお勘定は4000円と少し。帰り際、うなぎが高くなって大変でしょうと聞くと、困ってますとの答え。いい店だ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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