2024年 4月 26日 (金)

渡辺美樹ワタミ会長選挙に出たばっかりに…あらためて問題にされそうな過酷な労働

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   居酒屋チェーン「和民」創業者でワタミの渡辺美樹会長(53)が7月(2013年)の参院選に自民党から出馬することを表明した。本人は安倍首相から直々に要請を受けたといっているそうだが、ワタミといえば『ブラック企業』という評判が高いが大丈夫かと『週刊文春』が噛みついている。

   週刊文春によれば<〇八年六月十二日、和民京急久里浜駅前店に勤務していた森美菜さん(当時26)は、雨の降る中、社宅から六百メートル離れたマンションの七階と八階の踊り場から飛び降りた。

   彼女の死は四年経った昨年二月、労災認定された。その決定書によれば、森さんは一日十二時間から十五時間勤務で、1ヵ月あたり百四十一時間も時間外労働していたという。厚労省が定めている『過労死ライン』の月八十時間残業を大幅に上回っている>という。

   渡辺会長から社員へのメッセージがまとめられた「理念集」には次のような言葉が掲載されている。

「365日24時間死ぬまで働け」

   さらに、森さんの自殺の翌09年から昨年までに、時間外労働の上限時間を超えて従業員を働かせていたとして、労働基準監督所から10件の是正勧告を受けているというのである。ワタミの元社員がこう語っている。

<「勤務時間は夕方から明け方まで十二時間以上なのに休憩はとてれも三十分。ワタミの場合、その日の売り上げ目標から逆算して人件費の額が決められている。そのため、売り上げが少ない日は、人件費を抑えるため、社員がただ働きすることもある。私は三年いましたが、午前七時からの『早朝研修』やミーティングの後も営業し、三十六時間寝ないのがザラだった」>

   ワタミの2008年のCSR報告書によれば、社員の平均勤続年数3.3年(09年以降は平均勤続年数を公表せず)だそうだ。まさに典型的なブラック企業ではないかと週刊文春は書く。<社会問題化しているブラック企業は、解決が急がれる政策課題の一つだ。にもかかわらず、Mr.ブラック企業の渡辺氏に出馬要請した安倍首相、公認した自民党の責任はあまりに重い>と結んでいる。

   従業員6000人を抱える飲食業大手だが、実体は過酷な労働条件と搾取の構造では、威張れたものではない。参院選が近づけばもっと内情が出てくるに違いない。渡辺氏は出なければよかったと後悔するかもしれない。

アベノミクス「スタグフレーション」突入!景気低迷のまま次々値上げ

   アベノミクスの副作用が次々に噴き出している。『週刊ポスト』は消費者が気づかない隠れ値上げ商品がいっぱいあると報じている。隠さないでも、輸入原材料の高騰による値上げの多さにはただただ驚くばかりである。<まず「食」では、小麦粉や植物油などの輸入価格高騰の影響が大きい。7月1日には山崎製パンが食パン「芳醇」や「高級つぶあんぱん」など15品目を2~6%値上げし、日清製粉も「マ・マーパスタソース」のうち10品目を9~11%値上げ、味の素は8月1日出荷分から家庭用マヨネーズを6%上げる。

   水産加工品も上がる。世界的な鰹の不漁と漁船用燃料重油の値上がりなどで、水揚げしてすぐに瞬間冷凍される加工用冷凍鰹の価格は1年前の2倍に急騰。そのため、はごろもフーズは5月からツナ缶「シーチキンL」を330円から340円に引き上げ、鰹節大手のマルトモは、 6月から「削りぶし」「花かつお」などの商品を10~20%値上げする。(中略)マクドナルドはこの5月7日から「100円マック」を120円、チーズバーガーを120円から150円へと2割以上引き上げた。回転すしチェーンのかっぱ寿司はこの夏をメドに1皿94円から105円に価格を改定している>

   その上、価格を据え置きに見せて内容量を減らす「隠れ値上げ」が進行しているというのである。<日本ハムは7月からハム、ソーセージなど89品目で容量を減らし、主力のあらびきウィンナー「シャウエッセン」は1袋138グラムから127グラムになる>

   こうしたこと以外に、海外ブランドが軒並み値上げしている。ルイ・ヴィトンが2月に過去最大の平均12%値上げし、カルティエやティファニーなども値上げに踏み切っている。大塚家具はこの4~5月に輸入家具を平均4.8%値上げしたばかりだが、さらに6~7月には輸入品4400品目を平均5.9%アップするそうだ。

   さらに建設資材が値上がりしている。鋼材価格は前年比2割アップ、外壁用コンクリート、断熱材など軒並み大幅値上がり中だから、今後のマンションや住宅の建設費が大きく上がるのは間違いない。週刊ポストは、景気停滞下で物価だけが上がっていく状況を経済学ではスタグフレーションと呼ぶが、こうした最悪の事態が起こるかもしれないと警鐘を鳴らしている。

   アベノミクスの真価が問われる6月が始まった。有権者は官僚のいいなりになるマスメディアに踊らされることなく、しっかり目を見開いて真贋を見極め、参議院選に備えなくてはいけない。

みんなの党・渡辺喜美「資産ゼロ」のカラクリ―抜け道使って名義移転

   先日公開された衆議院議員の資産報告書で、「該当なし」「資産ゼロ」と書いた議員が480人中62に上った。実に全体の12%強である。その大半は当選1回か2回の若手だが、みんなの党の代表・渡辺喜美氏がゼロというのには違和感を覚えた人は多いはずであろう。『週刊新潮』は鋭く追及している。

<「渡辺喜美さんと言えば、言うまでもなく「ミッチー」の愛称で親しまれた自民党の大物、渡辺美智雄元副総理の長男です。1995年秋、ミッチーが亡くなった際、その遺産は約12億円と報じられました。その一部を引き継いだ喜美さんが資産ゼロとは俄に信じがたい話です」(全国紙の政治部デスク)>

   なぜこうなるのか。そのカラクリを資産公開に詳しいベテラン国会議員秘書がこう明かしている。<「実は、報告しなくてもよい資産が結構あります。(1)普通預金やタンス預金(2)配偶者や子どもの資産(3)資産管理会社など、法人名義の資産(4)未公開株や資本金1億円未満の会社の株など。つまり、今の制度は、本人の名義を変えれば、簡単に資産を隠すことができる。喜美さんの場合、この抜け道を非常にうまく使っているように見えます」>

   週刊新潮は隠し資産を探す旅に出る。渡辺代表の地元・栃木県のJR宇都宮駅から車で約10分走ると、宇都宮市内の下戸祭地区に着く。この町の一画(約2000平方メートル)に「和三紫(わさし)ビル」が建っている。ビルの名義上の所有者は美智雄氏が1971年に設立した和三紫という有限会社だが、現在は渡辺喜美後援会が入り、実質的には渡辺代表のものであろう。評価額は土地と建物合わせて2億円ぐらいはするという。

<「04年と06年の資産公開では、喜美さんは、東京・渋谷区内に広さ60平方メートル位のマンションを一室所有していた。この部屋は、元々美智雄さんのもので、喜美さんが相続した。で、07年に資産管理会社の和三紫に売却したため、09年の資産報告書からは消えています」(元後援者)>

   何のことはない。「資産ゼロ」にすることなど容易いのである。だが、公党の代表たるもの、モラルに欠けるのではないか。政治とカネの問題に詳しい上脇博之・神戸学院大法科大学院教授がこう指摘する。

<「今の法律は、正式な法律名にある『政治倫理』の名に値しない上に、資産公開法としてもザル法です。虚偽申請に対する罰則規定がないことも問題だ」>

松山英樹と石川遼ここが違う「道具のせいにしない」「父親がしゃしゃり出ない」

   少し爽やかな話題に行こう。ゴルフの新星・松山英樹はプロデビュー5戦にして2勝と、まさに怪物である。だが、今でこそ181センチ・85キロと堂々たる偉丈夫だが、少なくとも中学生までは華奢で、身長順に並べば前から数えたほうが早かったと、週刊新潮が書いている。

   この怪物を育てたのは父親の幹男さん(59)である。幹男さんは地元のパチンコチェーンで店長として勤務しながら松山を育てたという。驚くべきことに、松山の初ラウンドは6歳、スコアは136だった。松山はその後、8歳で100を、10歳で80を切るまでに腕を上げる。だが、ドライバーの飛距離が玉に瑕だったという。父親が所属する「北条カントリー倶楽部」の評議員・岡本大吉さんはこう語る。

<「パー4のホールなら、2打を終えて100ヤード以上残す感じ。でもそこから1打でグリーンに乗せ、パーにしてしまうこともしばしばで、アプローチは天才的でした。また、大人に混じってコンペに参加したときのこと。5回バンカーに入れてしまったにもかかわらず、それを全部パーにして、みなが目をむいていました」>

   かつての「怪物」石川遼との違いは、松山は道具を信頼していて、ミスしてもそれは自分の腕が悪いからだと謙虚に考えるが、石川は道具のせいにし、とっ替えひっ替えしてしまうから、慣れるまでに時間がかかると、プロゴルファーの沼沢聖一氏はいっている。

   また、父親の違いもある。松山の父親は英樹が参加する大会を観戦することはあっても、意識的に目立たないようにしている。自分の手を離れたのに父親がでしゃばるのはよくない、そう考えているのでしょうとゴルフ担当者が話している。なるほどその違いは大きい。

バカでも入れる早稲田大凋落の元凶「推薦入学急増でレベル低下」

   私も早稲田大学の卒業生だが、いまさら「早稲田大学が大低迷」などという特集を週刊新潮が組んでも、興味をそそられなかった。だが、少し観点が違うところから斬り込んでいるので紹介しておこう。

   早稲田のレベルを落としているのは推薦入学者だというのだ。では、推薦入学者はどのくらい増えたのか。<90年には入学者1万382人のうち、一般入試による者が8070人と約8割で、付属校や系属校からのエスカレーター組が1328人、全国の高校からの一般推薦と特別選抜が合わせて817人だった。それが07年には1万168人の入学者中、一般入試通過者は5848人と全体の57%に減少。一方、付属校や系属校出身者が1436人、一般推薦と特別選抜の合計は2012人と大幅に増えた。

   入学定員は維持し、一般入試の定員は絞り込むことで入試の偏差値を高く維持する「カラクリ」が見えるではないか>

   精神科医の和田秀樹氏はこう早稲田を批判する。<「早稲田凋落の最大の原因は、金儲け主義に走ったことではないでしょうか。(中略)

   早稲田は『バカでも入れる』というイメージを広く植えつけたのは、99年の広末涼子の入学でしょう。このときばかりは早稲田OBもみな怒っていました。スポーツ推薦枠を大量に設けているのも悪い印象です。有名人が入って知名度が上がっても、頭のいい学生は『バカでも入れる』早稲田をわざわざ受けなくなりますから、結果的に学生の質は下がってしまいます」>

   もともと企業にとって「都合のいい人材」を排出するためにつくられた大学なのだから、バカくらいがちょうどいいのではと、OBは思うのだが。

「週刊朝日」戦わない週刊誌で存続決定!シルバー層女性向け実用記事優先

   休刊秒読みといわれていた『週刊朝日』の存続が決まったらしい。だが、存続はできても前途は暗いと週刊文春が報じている。

   <朝日新聞出版関係者がこう嘆く。

「存続決定は、事実上のスキャンダル報道禁止令でした。今後は、シルバー層の女性を意識した、安心・安全志向の『戦わない週刊誌』になるようです」>

   「週刊朝日のあり方」委員会がまとめた答申にはこうあるという。<「朝日新聞社系列の週刊誌である以上、扱うテーマや人権侵害への配慮など、出版社系週刊誌と同じであるわけにはいかない。(略)一部の出版社系週刊誌に見られるような、のぞき見主義的スキャンダリズムやことさら煽り立てるセンセーショナリズムに堕さず、『良質なニュース・教養・娯楽週刊誌』として、読者が知りたい話題、公共性、公益性の高いニュースなどを、綿密な取材に基づき、書くことを徹底していく」>

   週刊朝日関係者はこういう。<「橋下市長関連だけでなく、調査報道的なネタは採用されず、実用的な記事ばかりが重視される。現場は、新聞上層部に牙を抜かれようとしているのです」>

   朝日新聞は週刊誌の何たるかをまったく分かっていないようだ。読者が週刊誌に何を求めているのか。100万部を誇った週刊朝日が、週刊新潮、週刊現代、週刊文春が登場してアッという間に部数を減らし、影響力のない週刊誌に成り下がったかをもう一度見直してみたほうがいい。

   こんなことで存続させても、早晩、週刊朝日の休刊は避けられない。そう予言しておく。それにしても編集部員は、去るも地獄、残るも地獄。心中察するにあまりある。

史上最高齢で蛇笏賞受賞した俳人・文挾夫佐恵99歳「艦といふ大きな棺沖縄忌」

   今週の最後は、週刊ポストの99歳で史上最高齢蛇笏賞受賞した俳人・文挾夫佐恵(ふばさみ ふさえ)さんについての特集。私はこういう週刊ポストの嗜好が好きである。

   こういう句がある。

あな踏みし華奢(きゃしゃ)と音してかたつむり

   金子兜太氏がこう解説している。

<「思わず踏んでしまった、かたつむり。その殻の音。この句がうまいと思うのは、踏んだ時の音感を華奢という漢字で表記し、きゃしゃ、とルビをふって見せている点」>

   次の句は92歳のときに読んだ。

艦といふ大きな棺沖縄忌

   佐怒賀正美さんはこう語る。

<「『艦』は『ふね』ではなく、『かん』と読む。字義は『いくさぶね』。沖縄戦で『艦』といえば真っ先に思い浮かぶのは『大和』である。しかし、この句はそれだけを表しているのでは決してない。
   この句では、『大和』以外の自国の戦艦、さらには敵の軍艦まで思いが拡がります。どの『艦』にも兵として乗っていた多くは、文挾さんと同世代の純粋な若者たちでした。さらに『沖縄』こそが紛れもない『艦』であり、大きな『棺』でもあったわけです。戦争が生み出した軍艦や戦闘機、戦車などの本質が『棺』だとわかった時、あらかじめ組み込まれた悲劇性と人間の愚かさが浮かび上がってくるのです」>

   戦後68年経つ今も戦争への思いを強く噛みしめている句がある。

身は古りてかの夏の日の海は在り

   老いを見つめる句の中で、情熱のほとばしるような句も多い。

胸の炎のボレロは雪をもて消さむ
香水は「毒薬(ポアゾン)」誰に逢はむとて
九十の恋かや白き曼珠沙華

   元気をもらえる句である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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