2024年 4月 19日 (金)

「小渕優子」古株国家老にいいようにやられてたカネと選挙!資金報告書も勝手に作成

   <「小渕(優子前経産相=筆者注)氏の地元の群馬県吾妻郡中之条町では、彼女の母親の千鶴子さんが01年10月に約132坪の土地を取得し、2階建てのビルを建てています。この土地はもともと、千鶴子さんの親族が経営していた木材工場の一部。問題は、このビルに事務所を構える『小渕優子後援会』が、不可解な家賃を計上していることです。

   直近の過去3年間の収支報告書によれば、このビルは千鶴子さんが所有するものであるにもかかわらず、小渕優子後援会が毎月6万3000円の家賃を支払っています。1年間で75万6000円、10~12年の3年間では総額226万8000円。しかも、家賃の受取人は母親ではなく、小渕本人になっているのです」>

   『週刊新潮』がスクープした政治資金規制法違反疑惑で小渕優子氏はあえなく経産相を辞任したが、それだけで収まらないようである。上記のコメントは、政治家のスキャンダルを暴くことにかけては天下一品のジャーナリスト松田賢弥氏のものだが、これでは小渕氏の後援会が母親のビルを通して小渕本人に献金をしていたのではないかと疑われても仕方ないと指摘している。

   辞任の記者会見で自分の監督責任といいながら、「私自身わからないことが多すぎる」「何でこうなっているのか」「すべてを見通せない」と、自分は関与していない、スタッフが勝手にやったことだといい逃れしようとしていた。

   だが、週刊新潮は今週号で毎年行われている地区ごとの新年会でも同じようなことをしていると追及している。<「出席するのは地方議員や後援会メンバーで、いずれも会費制。両団体とも、会場に支払った飲食代については、組織活動費の「行事費」などとして計上しています。ところが、なぜか参加者から集めたはずの収入の記載が一切ないのです」(小渕氏の地元の政治団体のさる幹部)>

   これも先に報じた明治座のケースと酷似しているが、報告書通りだとすると有権者への寄付にあたり、それが集票目的と見なされれば公職選挙法221条の「買収」に該当するのではないかと、週刊新潮は指摘している。

   要は、父親の時代からいた古株の秘書が、若くて何も知らないお嬢ちゃんに知らせずに、これまで通りにやってきたということだろう。何か聞かれても、「私たちにお任せを」というだけで、報告義務を果たしていなかった。親の地盤を引き継いだ二世、三世議員にはよくあることだが、何も知らされなかった彼女は悔しかったのだろう。だが、政治家としては脇が甘すぎるというしかない。

地元・中之条町町長雲隠れ「ひとえに私の不徳のいたすところ」

 では、そうしたことをやってきた人間は誰なのか。小渕氏の関連政治団体のうち3団体について報告書を実質的に取り仕切っていて、現在、中之条町町長になっている折田謙一郎氏(66)ではないかと週刊新潮は見ている。折田氏は小渕恵三の時代から30年以上にわたり私設秘書として仕え、いわば国家老のような存在だと、彼をよく知る町政関係者が語っている。

   折田氏は小渕氏辞任と同じタイミングで町長の職を辞し、姿を消しているそうである。折田氏は「ひとえに私の不徳のいたすところ。小渕大臣は政治資金には全く関与しておらず、収支の齟齬に疑念を持たれたのは当然のこと」という辞職にあたってコメントを寄せているそうだが、自分がすべてをひっかぶろうという気持ちなのだろう。

   支持者の観劇や野球観戦だけではなく、地元の名産品や姉のブティックから政治団体が大量の買い物をしているのも「公私混同」だという批判が出ている。10月16日(2014年10月)付の毎日新聞が小渕氏が9月に経産相に就任した際の資産を報じている。<資産総額はTBS勤務の夫と合わせて2804万円で、女性閣僚5人中2位だった。その大半は東京都渋谷区と地元群馬県内の土地や建物だが、ゴルフ会員権2口と絵画2点も持つ。父の故小渕恵三元首相が暮らした都内の自宅を昨年12月に売ったことで前回衆院選再選後の公開時より、本人の不動産は減ったが、売却益で2013年の所得は前年を5500万円上回った>

   元総理を父に持つ彼女にしては意外なほど資産が少ないのではないか。小渕元総理は気前がよく、カネがない人には誰彼かまわずぽんとカネをあげたというエピソードが残っている。また、中曽根康弘と福田赳夫の大物がいる大激戦区だったから、自ら「「ビルの谷間のラーメン屋」と自嘲していたように、当選するためにカネを使い果たしていたのかもしれない。そうしたやり繰りの大変さから、古参秘書である折田氏がこうしたことに手を染めたのかもしれない。

   小渕氏は本来、原発再稼働に疑問を呈しており、親中国派議員としても存在感を高めつつある。ここは一兵卒に戻って、危険な方向へと舵を切っている安倍首相に党内から異を唱える存在になってはどうだろうか。

   地元でうちわを配った松島みどり法相も同時に辞任したが、すんなり受け入れたわけではなく、そうとう安倍首相に抵抗したと週刊新潮が報じている。<菅官房長官は直接、松島さんに引導を渡してはいませんが、派閥を使って説得したようです。彼女は『この問題は事件性がない』とか『立件できない』などと強気に主張して辞任に抵抗したみたいです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)>

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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