2024年 4月 20日 (土)

楽天「電力ビジネスに革命を起こしたい」小売り自由化で虎視眈々!電気料金ポイント付加や電源選択制

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   来年4月(2016年)から電力の小売りが全面自由化される。大手電力会社の独占に新規参入が挑めば、電気料金の値下げやサービス競争が期待できる。開放される市場の規模は8兆1000億円というから、新旧のせめぎ合いも過熱しよう。

   新規参入には、大手ガス、石油元売り、通信大手、鉄道など80社以上が名乗りを上げている。ネット通販の「楽天」の三木谷浩史社長は「のべ1億人の会員と顧客企業を活用して電力ビジネスに革命を起こしたい」という。楽天には通販のほか、旅行、通信、保険など80ものサービスがあり、その顧客が1億人だ。

   すでに自由化されている企業向け送配電では安い電力を提供している。複数の会社の発電所から安い電気を調達するのだ。工場向けの発電所は休日に電力 が余る。曜日や時間帯ごとに細かく調達先を切り替えることで、八ヶ岳のホテルは電気料金を7%削減できた。

   家庭向けの販売では、楽天お得意のポイント付与で顧客にアピールする戦略もある。再生可能エネルギーを支持する消費者へは太陽光発電所を持つ丸紅と提携。さらに、落差わずか40メートルというコンパクトな水力発電所を5年後に全国30か所に作りたいとしている。

腰が低くなった大手電力!必死の契約者囲い込み

   迎え撃つ大手も手をこまぬいているわけではない。東京電力はこれまで外部委託だった安全点検に社員を出している。各戸を訪問して電力自由化も説明し、ナマの要望を聞く。「昔はふんぞり返って『売ってやる』という雰囲気だったけど、大分腰 が低くなった」と消費者に好評だ。

   コスト削減にも取り組む。2年ごとの火力発電所の点検では1日1億円かかる。自由化のもとでは、これをこれまでのように料金にそっくり上乗せとはいかな い。この日数をいかに短くするかで、ムダの削減に実績のあるトヨタ自動車の元常務を 招いた。数百もある点検項目を一つひとつ見直した結果、常陸那珂発電所では80日を50日に短縮し、50億円を削減できた。「1分1秒がコストダウンにつながる。自由化の競争をのりきらないと」という。あの東電が変われば変わるものだ。

   東京大社会科学研究所の松村敏弘教授は「自由化に期待している」という。企業向けの自由化から10年以上経っても新規参入者のシェアは5%に満たず、大手はコスト削減意識が乏しかった。しかし、小売り分野での新規参入によって、大手も変わらざるを得なくなると見る。

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