2024年 3月 29日 (金)

下馬評だけは賑やかな都知事選「決定力」欠く面々たち・・・当選の可能性ありは橋下徹と櫻井翔パパか

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   舛添要一氏が辞任したことでがぜん注目を浴びてきたのが都知事選の候補者に誰が名乗りを上げるかだが、出るであろうと目されているのは2度出馬して次点だった元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)ただ一人。週刊文春と週刊新潮が候補者たちの「身体検査」をやっている。

   まずは民進党の顔ともいえる蓮舫参議院議員。彼女には民進党より東京の顔になりたい『野望』はあるようだが、今回は改選のため参議院選挙に出馬しなくてはいけないため断念した。

   だが、週刊新潮で政治部デスク氏が、参院選で当選して3日だけ務めた後、都知事選の告示日ギリギリに出馬表明する可能性があるのではないかと解説しているが、そんなことをすれば天も都民も許しません。

   橋下徹元大阪市長待望論も根強いようだ。週刊文春のメルマガ会員に「次の都知事にふさわしい人」とアンケートしたら1300人を超える返事があり、橋下徹氏が263票、「嵐」の櫻井翔のパパ・櫻井俊氏が169票、蓮舫氏が133票だったという。事務所は、彼はメインの番組をテレビでもっていて、法律家だから契約は守る。だからその可能性はないと語っている。

   次にマスコミ的な評価の高いのは櫻井氏である。官僚で手堅いと思われるうえに、人気アイドルのパパ。菅官房長官と関係が深いようだから、官邸が強力に頼めばウンというのではないかと見る向きが多いようだ。

   それ以外では、本人が出る気満々なのが元防衛相の小池百合子氏。安倍首相や森元首相と仲が悪く、永田町では先の目がないと思っているのか、今回がラストチャンスと狙っているようだ。だが、女に嫌われるタイプだから出ても当選は難しいだろう。丸川珠代なんて声もあるが、小池と同じように女性票が取れまい。

   意外なのは川淵三郎氏の名前まで挙がっていることだ。実行力は間違いなくあるが、もう79歳だし、猪瀬直樹氏が都知事選に出馬したときに選対本部長を務めていることがネックになるのではないか。ソウル五輪の金メダリストでスポーツ庁長官の鈴木大地氏(49)も下馬評に挙がっているが、出てくれば相手次第ではおもしろい戦いをするかもしれないが、首長としての能力は未知数過ぎて、私が一票を投じることはない。

   民進党の長島昭久氏(54)は石原伸晃氏の弟の良純氏と慶應幼稚舎からの同級生で、安倍首相の集団的自衛権に賛成の立場だから、自民党も相乗りしやすいといわれている。それなら自民党へ入党してから出馬するのが筋であろう。石原伸晃氏、小泉純一郎元総理、驚くことに週刊新潮であのウルトラ保守の作家・百田尚樹氏も「出馬を考えている」と話している。

   とまあ、帯に短しタスキに長しの面々だが、出てくれば当選の可能性があるのは、都民の一人としては残念だが、橋下徹氏と櫻井パパぐらいだろう。アメリカ大統領選のサンダース氏のように、若者の貧困対策や格差是正を強力に訴えることができれば宇都宮氏も善戦するとは思うが、この人、演説がうまくない。サンダース氏のように聞く人の心を揺さぶるような話ができないのが難点だ。

   首長選挙はアメリカの大統領選のような直接選挙である。しかし、大統領選のようにいくつものハードルがあるわけではないから、どうしても知名度(悪い意味でも)優先のAKB総選挙のようになりがちである。東京だけを特別にしろというのではないが、都知事選挙期間を大幅に延ばして2か月ぐらいかけてやったらどうか。そうすれば候補者の主張も人品骨柄も吟味できて、これまでのように大きく間違うことはないのではないか。

さっぱり盛り上がらない参院選・・・自民党にも野党にも行けない新有権者の若者票

   週刊新潮が参議院選に出馬する女性たちをルポしている。沖縄出身で歌手グループ「SPEED」メンバーだった今井絵理子氏は、米軍属に殺された女性の抗議集会が那覇市内で行われていた日、上大岡駅付近の居酒屋で行われた会場で沖縄のおの字も出さなかった。

   三原じゅん子氏の内縁の夫である私設秘書は、妻の選挙応援をほとんどしていない。片山さつき氏というより、舛添要一氏のかつての妻といったほうが通りがいいだろう、この人が参院選大阪選挙区の女性新人候補を怒鳴りつけた。田中真紀子氏は夫の直紀氏の応援の会を新潟佐渡市の小さな集会場でやったが、そこでも人は入らず、角栄ブームだというのに彼女の神通力は消滅したなど、景気のいい話も色っぽい話もない。参議院選が盛り上がらないままいってしまうと、投票率が今から心配である。

   週刊現代は舛添辞任のせいで自民党の議席がかなり減るという衝撃データがあると報じている。安倍首相は舛添を推薦したのだから、それに対する批判はかなりあるはずだ。週刊現代によると、舛添ショックで自民党比例の票が500万票近く減るという予測があると、自民党の幹部議員が話している。

   もし自民党票が500万票減となった場合、参議院の情勢はガラッと変わる。週刊現代の試算では、自民党の議席数は比例14議席、選挙区31議席、合計45議席にとどまるというのだ。惨敗まではないだろうという予測が多いが、もし第一次安倍政権のもとで行われた07年夏のような参院選になれば、安倍辞任は必至であろう。

   大量の若者票がどこへ行くのか。大半は自民党へは流れないと思うのだが、野党側はもっとこうした層を取り込むための戦略を『本気』で考えるべきである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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