2024年 4月 26日 (金)

メール時代にFaxがしぶとく生き残る 情報家電に弱い高齢社会を反映

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   電子メールの時代を迎えてもう、ファックスの時代は終わりかというと、どうやら日本ではしぶとく残りそうである。
オフィス同士の文書のやりとりは、ほとんどメールで済むようになった。図面や画像の送信もデジタルのデータがあれば、これを添付することで解決する。あるいは適当なウエブページのアドレスを相手に知らせれば、わざわざ画像を送信する必要もない。ファクスを使う機会は、確実に減っている。 でも、「生き残る」理由はふたつある。
  第一に日本では家庭用ファクスの市場ができあがっており、買い換え需要が見込める。家庭用として電話機と一体化したファクスが低価格で売られており、むしろ単純な電話機の方が市場から淘汰されつつある。

多機能の機種の省スペース効果

日本では家庭用ファクシミリが今もよく売れている
日本では家庭用ファクシミリが今もよく売れている

  第二にオフィス向けとして、ファクスをコピー機やプリンターと一体化した複合機が市場に受け入れられつつある。複合機は各種の機器をバラバラにそろえるよりも安く、また省スペース・省エネルギーといった効果もある。欧米メーカーはファクスをほとんど作っていないだけに、こうした複合機を苦手にしている。逆に日本メーカーの主力商品はすでに複合機で、これを売り込むことで単機能のコピー機やプリンターから市場を奪おうとしているのである。業界の統計を見ると、ビジネスファクシミリの出荷金額は03年が約3500億円、04年の予測が4000億円と伸びる。デジタル革命が進む中で、アナログ機器であるファクスは意外に健闘しているのである。

  世界市場の大半を日本製品が握っているファクシミリは、もともと写真電送装置として発明された技術だ。それを今日のようにオフィスに欠かせない汎用的な通信機に育て上げたのは、キヤノンリコー松下グループ(パナソニック)など日本のメーカーである。
  日本メーカーがファクスを得意としているのは、漢字の文化を持つからだ。ファクスはかつて非常に高価で特殊な機器だった。アルファベットの文化圏である欧米諸国では、タイプライターを発展させたテレックスが広く使われる一方、ファクスはまるで普及しなかったといわれる。

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