2019年 10月 21日 (月)

編集長からの手紙
20年前のヒント 情報社会に花を咲かせる

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   1982年の基礎研究にかかる経費を日米で比較すると、金額的には米国が日本の約2.5倍、総研究開発費に占める基礎研究費の割合では日本が14.6%、米国が12.1%でした。80年代は日米の貿易摩擦が外交問題となっており、米国には「日本は米国の基礎研究を利用して儲けている」という批判が強く、「いや、そうでもない。日本も基礎研究にお金は使っている」と示す資料として出されたデータが、この数字でした。

   80年代の終わりごろ、私は雑誌の連載で日本の電子技術を取材していました。有力メーカーの多くの研究所を回りながら、日本の企業もようやく基礎研究の分野にお金を出すようになったと感じたものです。研究者たちがIBMのワトソン研究所を理想のように描いていました。あのような研究をすべきだと。しかし、残念ながら、バブルの崩壊とともに、日本企業の基礎研究、研究開発に対する投資は急減しました。
   当時の取材で強く印象に残った事があります。メディアに関わるものにとって、将来が展望できる大きなヒントでした。
   このころ実用化が見えていた技術は、長期間にわたる基礎研究の上に成り立っていました。また、この時に聞いた夢のような話が、その後に製品化されたのをいくつも見てきました。名刺読取装置、自動翻訳機、半導体メモリーの記憶の立体化…。そのなかで、電子技術では半導体の記憶容量の飛躍的な発展と、薄型表示板の大型化の二つがインフォメーション・テクノロジー(IT技術)発展の基盤だと考えている研究者が多かったのです。
   あれから20年近く経ちます。間違いなく、この二つの製品、メモリーと大型表示板は情報社会の中心に座っています。そして、この二つのIT基盤製品に経営を集約して世界のトップに出たのが韓国のサムスン電子でした。
   じつは、もうひとつ情報社会の基盤となるものがあります。基盤に花を咲かせる、それがコンテンツです。私にとって、20年前の貴重なヒントでした。

発行人(株式会社ジェイ・キャスト 代表取締役)
蜷川真夫

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