量的緩和策解除 新聞各紙の論調こんなに違う
2006.03.10 13:54
ゼロ金利解除には抵抗感強い
一方、慎重派である朝日新聞の場合、「日銀の転換 デフレに戻らぬ目配りを」を社説の見出しに取っている。量的緩和政策についても、日経や産経と違い、「一時は、デフレが際限なく続く心配さえあった。そのなかで金融不安を抑え、金利の上昇は当分ないという安心感も与えた。一定の効果はあったといえる」とプラスの面を強調している。
読売新聞は微妙な立場だ。社説では「判断が適切かどうかは今後の推移にかかっている」として、量的緩和とは別に、ゼロ金利の継続を明確にするよう求めている。どちらかというと、朝日のスタンスに近いともいえる。
経営者は評価派が大勢だ。日経新聞の経営者100人緊急アンケートでも、7割近くが「解除は適切な時期に行われた」と評価している。金利政策についても、「日銀に任せるべきだ」という言い方で、事実上ゼロ金利解除を容認する経営者が多い。
ただ、ゼロ金利解除にはマスコミにも抵抗感があり、是非を巡って激しい論議が交わされるのは確実だ。