2024年 5月 5日 (日)

NHK会長 解任説の真偽

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   NHKの不祥事が止まらない。2006年5月18日、読売新聞に新たな不祥事「消費税1億円申告漏れ 制作費領収書20億円不備」の記事が掲載された。しかし、NHK広報は「たいした問題ではない。会長の辞任や解任などあるわけはない」とJINBNの電話取材に答えた。「橋本元一会長が早くも引責辞任か」と囁かれているなかで、なぜこんなに強気なのか。テレビ局関係者によれば裏に政治家の影があるというのだ。

東京・渋谷のNHK放送センター。週刊誌の報道にも強気な対応だ
東京・渋谷のNHK放送センター。週刊誌の報道にも強気な対応だ

   読売の記事は東京国税局の税務調査で、NHKが番組出演者らに出演料などを払う際、領収書など経理書類を受け取っていなかったことが明らかになったというもの。ずさんな支出は04年3月期までの3年間だけで約20億円。このほか、NHKでは、転勤した職員が自分で転居先を探した場合、2万2,000~9万円の住宅手当を払うが、支給された手当などは3年間だけで40億円。これをコンピューター設定ミスが原因で仕入れ税額控除にしていた。NHKは修正申告し、計約3億円の消費税を納付した。
   読売新聞が報じた不祥事は、同日発売の週刊新潮にも書かれている。「嘘つき会長解任のススメ」という見出しの特集記事で、同誌が「3つのスキャンダルをNHKが隠蔽してきた」と書いているうちの一つだ。

事件のように報道されて「迷惑だ」という広報の体質

   新潮はこの件でNHKにコメントを求めたが、「申告漏れが指摘された事実はありません」と答えたという。
   NHKの隠蔽体質は、06年3月30日の「衆院総務委員会」でも指摘されていた。受信料不払いによる減収額を半年も公表しない事や、3月の国会でも虚偽報告していたことを追及され、橋本氏は、「深く反省し、お詫びいたします」と謝罪したばかり。現在も「改革・新生」が進んでいないことが明らかになった。
   にもかかわらず、橋本氏の責任問題はNHK内部ではそれほど問題になっていないようだ。国税庁に申告漏れを指摘されたのが05年3月。1年以上前の話であり、調査が入り不備を指摘されたが、既に申告の修正は終わっている、という理屈だ。NHK広報は「確定前に国税庁から不備を指摘されたための修正。普通の企業でも指摘されれば確定前に修正し申告する。それを事件のように報道するのはどうしたものか」と不満を隠さない。“報道内容は迷惑な話だ”と言わんばかりなのだ。

「中川と橋本連合」成立が背景にある

   06年5月11日に開かれた記者会見で会長は

   「チャンネルを減らせば、コストを減らせるという経済合理性だけで作る商品とは違う。文化的視点が重要だ。竹中総務大臣の私的懇談会では、議論がクローズドで行われていることもあって、(受信料の値下げとチャンネル数の削減の)何が目的で何が手段なのか、目的意識と因果関係が分からないので、なかなかコメントできない」

   と強気な発言をしている。竹中平蔵総務相の放送事業に関する私的懇談会で、NHKの受信料引き下げと、チャンネル数削減の方向が出たのを受けたもので、「反竹中」を明確にしたようなものだ。
   NHKのこうした姿勢について、テレビ局関係者はJINBNの取材に対し政治家の影を指摘する。

   「自民党中川秀直政調会長がNHKのバックに付いたんです」

   竹中氏はNHKの縮小を目指す方針を打ち出し、一時期NHKは窮地に追い込まれようとしていた。ところが、小泉純一郎首相の任期切れが間近になり、竹中氏の影響力がここに来てぐっと低下してきた。一方で、中川氏の影響力が増し、その中川氏がNHK擁護に回っているのだという。つまり「橋本・中川連合」が成立したため、強気になっているという解説だ。

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