2019年 4月 21日 (日)

東証の「自主規制法人」人事 「閣内不一致」のなぜ

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   2007年10月に発足する「自主規制法人」の理事長に、元財務事務次官で日本投資者保護基金理事長の林正和氏(62)を起用する人事を東京証券取引所が発表し、波紋を広げている。東証が事前に金融庁などに根回しし、内定した人事だったが、塩崎恭久官房長官渡辺喜美行政改革担当相らが「元官僚の天下り」などと痛烈に批判。尾身幸次財務相山本有二金融担当相らが反論するという、「閣内不一致」が露呈し、東証は「嵐が過ぎ去る」のをじっと待つ防戦に立たされている。

   「自主規制法人」は、東証の機能のうち、上場審査や証券会社を対象とする考査、売買審査などを受け持つ。いわば「市場の番人」で、10月から業務を始める。 証券取引所が手数料収入を稼ぎながら、企業や証券会社を規制する機能を持つことには矛盾がある、という指摘があり、切り離しが決まった。

外部からはわかりにくい人事

東証「自主規制法人」人事をめぐり波紋が広がっている
東証「自主規制法人」人事をめぐり波紋が広がっている

   「閣内不一致」の発端は、東証が4月24日の西室泰三社長の記者会見で、自主規制法人の理事長に林氏を起用すると発表したこと。この日は、政府の公務員制度改革関 連法案が閣議決定した日で、渡辺行革担当相は「安倍内閣への挑戦だ」などと批判した。実は、東証社長の会見日程は半年前に決まっており、同法案の閣議決定の日程など、東証が知る由もない。西室社長は27日に開かれた財政制度等審議会終了後の会見で「意図的なものではない」と否定するのが精一杯だった。

   今回の人事をめぐる波紋は、発表のタイミングの悪さによるところが大きいが、公務員制度改革をめぐる閣内不一致とは別に、東証の「官僚的」ともいえる体質に起因している側面も否定できない。東証の内部の論理では林氏の選任が「適任」でも、高級官僚の天下りが批判を浴びる中、外部の目からは賛同を得られにくいということだ。先の日興コーディアルグループの上場維持決定と同様、東証にとっては正義で、ちゃんとした言い分があるにもかかわらず、それが外部からはわかりにくいのだ。

   東証の言い分はこうだ。東証は8月に持ち株会社を設立し、10月から傘下の「市場運営会社」と「自主規制法人」の2社体制がスタートするが、 持ち株会社と市場運営会社の社長には野村証券出身の斉藤惇・元産業再生機構社長が内定している。東証は1960年代から旧大蔵省OBがトップを務め、影響力を保持してきたが、2004年に東証生え抜きの鶴島琢夫氏が社長に就任して以来、東芝出身の西室氏に続き、野村証券の斉藤氏をトップに起用することで、「天下りを断ち切った」という自負がある。

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