スティール代表来日の背景 「グリーンメーラー」払拭できるか
2007.06.19 11:43
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「日本の経営者を教育したいなんて、ごう慢だ」
しかし、実際にスティールに対する「ミステリー」の暗雲が晴れ、日本の経営者や投資家がスティールへの見方を変えたかというと、疑問だ。リヒテンシュタイン代表は会見の中で、日本企業が相次ぎ導入を進めている買収防衛策を批判し、「日本の事前警告型の買収防衛策は世界で最悪の防衛策だ。他の国なら違法だ」と述べたが、経済産業省はすぐに強く反論。北畑隆生事務次官は「国内でも合法で国際スタンダードに沿ったものだ。(スティールの主張は)全くの事実誤認だ」と指摘。さらに「スティールはグリーンメーラーと疑われても仕方がない」とまで言い切った。
日本企業の幹部からは「スティールにとって最も重要なのは、ファンドに資金を出してくれる投資家だ。日本の経営者を教育したいなんて、ごう慢だ」との声も出る。経済界の反発は収まる気配はなく、スティールの日本での投資環境は厳しさを増しそうな情勢だ。