2024年 4月 18日 (木)

メガ化は必至? 消費者金融 プロミスと三洋信販経営統合へ

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   消費者金融業界第3位のプロミスと第5位の三洋信販が経営統合することで検討に入った。2007年7月19日から同20日にかけて朝日新聞など各紙が報じた。経営統合が実現すれば、貸付残高で2兆320億円となり、アイフル(1兆9,852億円)を抜いてトップに躍り出る。要因は、過払い金訴訟の急増とグレーゾーン金利の撤廃を盛り込んだ貸金業法の成立、ジワリと上がってきた市場金利がある。消費者金融も銀行などと同様に、コストの削減効果を求めて「メガ化」に走り始めるのか。

調達コストの上昇で、利ザヤはさらに薄く

三洋信販は「ポケットバンク」ブランドを展開している
三洋信販は「ポケットバンク」ブランドを展開している

   アイフル、アコム、プロミス、武富士の消費者金融大手4社の07年3月期決算が1兆7,500億円の赤字になった最大の要因は、利息制限法の上限金利(年15~20%)を越える融資について、利用者からの過払い金請求が急増しているため。アコムをはじめ各社は、貸出金の金利を年18%に引き下げるなど、いま以上に過払い金訴訟が広がらないよう対策を講じ始めている。「早く(過払い金問題と)決別することが建て直しの条件」(大手消費者金融の幹部)という。

   また、金利が上昇局面に入ったことで資金調達コストも上昇。グレーゾーン金利の完全撤廃は2010年だが、貸出金利の上限を20%以下に抑える必要が出てくるので、利ザヤはさらに薄くなる。来期の業績見通しでは、店舗や人員削減の効果で黒字転換を見込んでいるが、「基本的には収益見通しが暗い」(大手消費者金融の幹部)。それが消費者金融の「再編圧力」になっている。

   大手消費者金融4社の資金調達で、期中平均の調達金利は1.47~2.20%(06年3月期)と抑えているうえ、固定金利での調達比率が85.7~97.4%と高い。ただ、「低利、固定」での調達が可能な消費者金融はメガバンクのグループ傘下のアコムやプロミスであり、アイフルや武富士は社債等の直接金融のウエートを高めている。

   大手4社の銀行借り入れの比率の平均は61.8%だが、アイフルは56.3%、武富士は59.4%で、アコムとプロミスは60%を超えている。三洋信販に至っては、銀行借入の比率が49.6%と直接金融の割合のほうが高かったほどだ(TAPALS白書2006、消費者金融連絡会調べ)。

   長期金利が上昇し調達コストがジワジワと高まっていくなかで、貸出金利の上限は抑えられてくるので、収益環境はさらに厳しくなる。

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