2024年 3月 19日 (火)

UAEや中国などの政府系ファンド 金融市場に警戒感強まる

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   SWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)が、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で初めて議論された。中東諸国や中国などで規模が急拡大し、国際金融市場で存在感を増している政府系ファンドだ。運用方針などの実態は不明だが、巨大な力を備えた政府系ファンドに対し、金融市場に与える影響への警戒感が強まりつつある。

   政府系ファンドは、中東諸国が原油の売買で得た豊富なオイルマネーを運用したり、中国が外貨準備高の一部を運用したりするもの。米大手証券によると、07年9月の資産残高は、アラブ首長国連邦(UAE)を筆頭に29カ国・地域で合計2兆8274億ドル(約330兆円)にのぼるとされる。

先進国の有名企業に触手 G7も対策なし

UAEなどの政府系ファンドが存在感を増している
UAEなどの政府系ファンドが存在感を増している

   そんな政府系ファンドにより、先進国の有名企業が買収される例も目立ち始めている。9月には、UAEのドバイ取引所が、米ナスダック市場の運営会社の株式を大量取得すると発表し、米議会には危機感が強まった。アブダビの政府系ファンドが米投資ファンドの株式取得を発表するケースも出た。

   こうした政府系ファンドの動きは、国際金融市場のかく乱要因にもなりかねない。買収した企業やその国への政治的な影響力をもつ可能性もあり、米国などの懸念は高まっている。こうした中、G7は今回、政府系ファンドを運営するUAEや中国など8カ国の国際金融担当幹部と非公式会合を開催、政府系ファンドの情報公開を求めた。しかし、政府系と民間ファンドを区別することへの問題も指摘され、G7は結局、明確な対策を打ち出せずに終了した。

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