2024年 4月 19日 (金)

東国原知事の「徴兵制」発言 ネットで賛否両論の大騒動

   宮崎県の東国原英夫知事が懇談会の場で「徴兵制があってしかるべき」と発言したことが波紋を呼んでいる。真意としては、「若者に規律を教育する機関が必要」という「例えば的な話」だったようなのだが、「徴兵制」という言葉が独り歩きし、ネットで騒動になっている。賛否両論といったところだが、「たけし軍団のことだろ」といった指摘も出ている。

規律を重んじるような機関で教育することは重要

東国原知事の「徴兵」発言が波紋を呼んでいる(写真は3月の会見で)
東国原知事の「徴兵」発言が波紋を呼んでいる(写真は3月の会見で)

   東国原英夫知事は2007年11月28日、宮崎市内で開かれた座談会で「徴兵制があってしかるべきだと思う。若者は1年か2年くらい自衛隊などに入らなければいけないと思っている」と述べた。東知事は座談会のあとで、「徴兵制とか軍隊とか言わないですけど、若者にはある時期、規律を重んじるような機関で教育することは重要だと思う。道徳や倫理観の欠落が、今の規律の喪失につながっている気がする」と報道陣に釈明したが、翌日の各紙に「徴兵制あってしかるべき」発言が報じられた。

   インターネット上でも東国原知事の「徴兵制」発言が大きな議論をよんだ。
   SNS最大手「ミクシィ(mixi)」の日記ではこの発言をめぐって、

「ふざけるな、と言いたい。貴方のいう『規律を重んじる機関』は小中学校だろう、と」
「軍隊でしつけというのは ナンセンス」
「趣旨がうまく伝わってなくて問題発言になってますが、私は支持します」
「実際、知事が仰るように『若者にはある時期、規律がきちんと身につくような教育が必要』なのは当然」

などと書き込まれており、大きな話題になっているものの、賛否両論といったところ。巨大掲示板「2ちゃんねる」でもスレッドが10本以上立てられるちょっとした「騒動」になっている。ともに「規律は教育で身につけるもの」「東知事の真意は理解できなくもない」という賛否両論の状態のようだが、なかには、「東の言う軍隊って、たけし軍団の事か?」「たけし軍団のことだろ」といった「徴兵制」発言と東国原知事が芸人時代に属していた「たけし軍団」との関連を指摘するような書き込みもある。

「たけし軍団」では軍隊風の「規律」を重んじる?

   実は、東国原知事は、自身のホームページの「過去の不祥事」コーナーで99年に「たけし軍団」の後輩に暴行を加えた問題について、

「軍団の先輩として、集団の規律や規範を乱す彼に反省の態度や意志が見えないのを正すため、一発蹴った」

と述べていた(現在ではなぜか該当箇所がHPから削除されている)。「たけし軍団」での「規律」を重んじていた東国原知事の姿が浮かんでこなくもない。J-CASTニュースでは、「たけし軍団」のマネジメントをしているオフィス北野に取材を試みたが、「回答いたしかねます」として丁重に「お断り」された。

   宮崎県秘書広報課によれば、東国原知事のこの発言をめぐってクレームなどが「ちょこちょこ来ている」状態だというが、発言の真意については、

「若者について、今は色々な問題があり、規律や礼儀を勉強する機会があってもいいのではないかというなかでの発言であって、報道ではこういう『前置き』がなく、あたかも戦争を突き進むかのような感じになっている。真意としては、若者に対する礼儀について『例えば的な話』で言われた事ということ」

と説明している。「知事が『たけし軍団』にいたことを念頭においた発言なのでは」とためしに聞いてみると、

「どうなんでしょう。(東国原知事の)個人的なことなので分からないですねぇ」

と担当者は話した。

   「徴兵制」を導入しているお隣の韓国では、2年間の徴兵期間が課され、スポーツ選手や芸能人の「障害」にもなっている。2004年には、俳優のソン・スンホンさん、ハン・ジェソクさんやチャン・ヒョクさんが「兵役逃れ」をしたとして大きな騒動になったほか、プロ野球選手が「兵役逃れ」をして、韓国シリーズなどの出場停止処分を受けた。さらには、兵役中に自殺する事件も発生していたりもするのだ。もっとも、「たけし軍団」入団ならば、芸能活動はできるのだが。

姉妹サイト
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中