2018年 7月 22日 (日)

長谷川洋三の産業ウォッチ
人事:中川・元自民党幹事長が示す「日銀総裁の条件」

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「次の日本銀行総裁の条件は英語ができてドクターの資格のある人」

   2007年12月5日、東京都内のホテルで日本経済新聞社日本経済研究センターなどの共催で開かれたエコノミスト懇親会であいさつにたった中川秀直元自民党幹事長はこう発言し、場内をわかせた。

   中川氏は「民主党は国会承認が必要な人事には反対をすることもありうると言っているが、喜んで国会議論に加わりたい」と強気の姿勢を見せた。

   私はこのあと懇談の輪に入った中川氏に「本日の発言には官僚出身ではないことの条件がぬけていますね」と質問したが「その点は白紙」とかわされた。後継候補の具体的な人物像についてはあっても言うべきタイミングが問題と見た。

下馬評は武藤副総裁や竹中元金融担当大臣

   08年3月で総裁任期がくる福井俊彦日銀総裁の後継者候補については武藤敏郎現日銀副総裁や竹中平蔵元金融担当大臣らの名前があがっているが、先の参議院選挙で大勝した民主党はその勢いをかって、国会の承認が必要な政府関係機関の首脳人事については「反対もありうる」と意思表明。このため官邸主導で動いてきた日銀総裁人事ががぜん政争の具として浮上してきた。

   政府、自民党に依然影響力のある中川氏の発言は、あえてこの微妙な問題を話題にのせることで、グローバル時代にふさわしい日銀総裁選びを民主党にも呼びかけたもの。さっそくエコノミストの間で「総裁の条件」について議論が始まったが、就任当初、村上ファンドに投資していたことで責任問題が話題になった福井氏については「民間時代のできごとで総裁責任ではない」と同情論がもっぱら。サブプライム問題など不透明感の強い時期には金融エキスパートが必要だという流れが「人のうわさ」をかき消した感じだ。次期総裁についても人気とりより、不透明感を打破する専門家、という流れが強くなりそうだ。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。
BSジャパン解説委員。
1943年東京生まれ。元日本経済新聞社編集委員、帝京大学教授、学習院大学非常勤講師。テレビ東京「ミームの冒険」、BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスターを務める。企業経営者に多くの知己があり、企業分析と人物評には特に定評がある。著書に「クリーンカー・ウォーズ」(中央公論新社)「ウェルチの哲学「日本復活」」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)、「ゴーンさんの下で働きたいですか 」(日経ビジネス人文庫)など多数。


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