2018年 7月 20日 (金)

「ぬれ煎餅」大ヒット それでも銚子電鉄はまだ崖っぷち

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   「ぬれ煎餅」の大ヒットで、2年間で売り上げが倍近くに伸び、経営再建のめどがたったのではないか、と噂される千葉県の銚子電鉄。2008年4月には、煎餅生産設備も増強した。ただ、今後、老朽化した鉄道の整備に10億円以上が必要ということもあり、まだまだ崖っぷちは続いている。そして「ぬれ煎餅」ブームもやがて去るのではないか、という不安もつきまとう。

売り上げは05年度約3億1千万円から07年度5億7000万円

銚子電鉄は「ぬれ煎餅」の生産設備を増強したが…
銚子電鉄は「ぬれ煎餅」の生産設備を増強したが…

   「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」「『ぬれ煎餅』を買ってください」。そんな「緊急呼びかけ」を自社のホームページに掲載したのが06年11月17日。これがネットで話題になり、銚子電鉄を存続させようと全国から「ぬれ煎餅」の注文が相次いだ。サポーターも組織され、寄付金が集まるなどし、07年1月末の車検切れ(法定検査)に伴う車両の修理ができて、廃線の危機だけは免れた。銚子電鉄の再建の姿は、経営難にあえぐローカル線のモデルになるのではないか、と注目されていく。

   銚子電鉄の売り上げは05年度が約3億1千万円。それが06年度は4億3500万円。07年度は5億7000万円になる見込みだ。このうち「ぬれ煎餅」の売り上げは70%以上を占める。1年半前は「ぬれ煎餅」を注文しても生産が追いつかずに4~5ヶ月待ちだったが、現在は1ヶ月で届けるようにするなど生産能力をアップさせた。そして08年4月には自社工場内のコンベアーを1台増やし生産能力を倍にし、さらなる収益アップを目指した。

   しかし、「コンベアーを入れたものの、工場が狭い事などが影響して、前の1割ほどしか増産できていません」

と銚子電鉄はJ-CASTニュースに打ち明けた。これでは生産能力を倍にした意味がない。工場の増築や移転でもしなければ根本的解決にならないようだ。しかし、それには相当の投資が必要だ。

レールや自動列車停止装置など10億円以上の投資が必要

   銚子電鉄はJ-CASTニュースの取材に対し、

「私達はいま『ぬれ煎餅』に支えられていますが、あくまで本業は鉄道。経営を立て直すには鉄道に投資し、土台をしっかりさせなければならないのです」

と話した。緊急を要した整備は「ぬれ煎餅」の売り上げや寄付金などで何とかクリアできたが、全体に老朽化が進んでいて、レールの整備や、自動列車停止装置の装備など、今後、10億円以上の投資が必要だという。

   そして一番の心配事は、ブームの終焉だ。「ぬれ煎餅」が話題になって以降、全国から年間20万人以上の客が電車に乗りにきて、「ぬれ煎餅」を買っていくようになった。 しかし、銚子電鉄はこんな不安をもらす。

「この人気がいつまで続くのか、リピーターになっていただけるのか。だから、一過性のブームで終わらせないように、観光と結びつけるなど、何らかの展開が必要になっているのです」
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