2021年 3月 9日 (火)

バラエティが腐らせたテレビ スポンサーはそっぽを向く
芸能評論家の肥留間正明氏に聞く

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スポンサーが強い芸能プロと組む

――落ち目のテレビ業界に対して、芸能界はどうなんでしょうか。

肥留間   原油産油国と同じで、テレビ局に対して、芸能プロダクションの力が相対的に強くなっています。キムタクのジャニーズや上戸彩のオスカープロモーションは、やはり影響力があります。ジャニーズタレントは、子どものころから踊りや歌を鍛えているので、歌や踊りは、ぽっと出のタレントよりよほどうまい。クオリティが高いのですよ。吉本学校では芸人を育てており、オスカーではモデルが集まっている、といったようにますますタレント供給源として力をつけています。昔は、テレビ局が新日鉄だとすると芸能プロとは町工場ぐらいの差があり、局側は、タレントを自由に選べました。しかし、今は、大家に比べて店子が強くなっています。映画配給会社のように、テレビ局は、コンテンツを流すだけの会社になってしまったんです。

――ただ、ジャニーズ事務所は最近、影響力の低下をささやかれています。

肥留間   芸能プロというのは、基本的に一代限りで終わる仕事です。そして、新たな違う勢力が出てきます。産油国ではありますが、群雄割拠しているということだと思います。タレントを育てずに、引き抜いてばかりいるところは、いつまでもタレントを供給できない。当然、影響力は落ちます。強くなるのは無理ですね。

――とすると、大企業などのスポンサーもそちらの方を向くようになりますね。

肥留間   実際、スポンサーが芸能プロや制作会社と組むケースも見られるようになっています。そこに直接お金を流すわけです。例えば、「水戸黄門」は、スポンサーが直接、制作会社とともに番組を作り、TBSが流しています。著作権は、制作会社が持っているようです。将来的にみれば、例えば、「ごくせん」といった人気番組は、制作会社や芸能プロがスポンサーと直接番組作りをすることも考えられます。当然、テレビ局には著作権がなくなり、制作会社や芸能プロが持つことになる。プロダクションは、携帯の待ち受け画面の著作権を持つことも考えられます。

――最近は、違法なものも含めて番組がネット上で使われています。人気アニメ「コードギアス」が番組放送前にネット上に流れたとき、視聴率テコ入れのための意図的な話題作りではないか、といううがった見方もありました。

肥留間   歌手の倖田來未さんが 「35歳になるとお母さんの羊水が腐ってくる」と発言したことは、まずネットニュースが書きました。そして、新聞が書き、テレビが放送した。今は、ネットからネタが上がっており、巨大メディアのテレビがネットからネタを拾っている。テレビからネタを下ろす時代ではなくなっている。巨大メディアがネットのことを取り上げるようになったということです。そうすると、スポンサーサイドは、テレビばかりでなく、ウェブにもコンテンツを流そうとする。ものを作らないテレビ局は、ますます成り立たなくなります。

――芸能界では、どんなメディアが強くなりますか。

肥留間   優秀なコンテンツを持っているところが強いということです。しっかりしたものは、財産として残るんですよ。映画だって、見る人は減っていないんですから。

【肥留間正明氏プロフィール】
1949年、埼玉県生まれ。日本大学卒後、「女性自身」、「週刊宝石」などの記者を経て、出版社「音羽出版」(埼玉県)を設立。タレントのそのまんま東さん(現・東国原英夫宮崎県知事)の「どん底」などの本をプロデュースした。テレビ朝日「やじうまワイド」、TBS「アッコにおまかせ!」などテレビ番組の出演経験多数。


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