2024年 4月 16日 (火)

羽田空港国際線が本格化 深夜、早朝に欧米各都市へ定期便

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   冬柴鐡三・国土交通相が羽田空港の国際線を増やす方針を正式に表明した。2010年の空港再拡張(第4滑走路の完成)に伴って、羽田空港発着の国際線(現在はソウルと上海などへのチャーター便のみ就航)を現在の年間約9000回から約6万回へ大幅増。国際線「定期便」は北京や台北にまで拡大し、深夜・早朝には欧米各都市にも運航するという画期的なものだ。

近距離アジアへのビジネス路線は北京や台北、香港に

羽田空港は国際線を増やす方針
羽田空港は国際線を増やす方針

   冬柴大臣が2008年5月20日の経済財政諮問会議で明らかにした「首都圏空港(羽田・成田)における国際航空機能拡充プラン」は、これまでチャーター便でソウルと上海にしか就航していなかった国際線を、北京や台北、香港にまで拡大し、しかも近距離アジアへのビジネス路線として「定期便」を運航する構想。

   さらには、騒音問題で23時から翌朝6時まで飛べない成田空港に代わって、深夜・早朝にも約3万回、こちらは欧米をはじめとした世界の主要都市に国際旅客定期線を実現するという。国交省は「羽田と成田の連携で、首都圏全体の国際航空機能を24時間化する」と、「一体活用」を強調する。

   しかし、2010年以降の首都圏の空港容量を約17万回と見積もり、このうち成田を約2万回、羽田の昼間を約11万回、深夜・早朝約4万回に増枠する予定なのだから、「羽田シフト」が強まることは間違いない。

成田の痛手は大きい?

   ソウルや上海といったアジア路線は「東京-成田」の移動時間で現地に着いてしまう。利用者からは、「東京から名古屋へいける時間をかけて、なんでわざわざ成田までいかなきゃいけないのか」と、都心へのアクセスに対する不満が大きい。03年11月に就航した羽田-ソウル(金浦空港)は単価の高いビジネス便として「ドル箱」路線といわれるし、07年9月に就航した羽田-上海(虹橋空港)便も好調だ。

   冬柴大臣が「羽田発着の国際線増便」を表明したこの日、千葉県成田市では「成田国際空港30周年記念謝恩パーティー」が開かれていた。成田空港の開港には大きな犠牲が払われたうえに、いまも拡張計画は難航している。2009年度中の完成をめざす2本目の滑走路の延長工事だが、これは未買収地を避けながらの進行。空港建設予定地内には2戸の農家があり、買収は終わったわけではない。

   ちなみに、この滑走路ができ上がれば、発着回数は2万回増の22万回になる予定だ。

   「羽田の国際線、なかでも欧米便が増えると、成田の痛手は大きいのではないか」――J-CASTニュースが千葉県・空港地域振興課にそう質問すると、「成田から全部が移るわけではありませんし、羽田の利用は夜間です。羽田といえども、アクセスの問題がありますから真夜中までは動かせない。そのことを考えると、どれだけ飛べるのか、わかりません」と、動じていないようすだ。

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