日本ヒップホップ界のカリスマ的存在でラッパーのZEEBRA(ジブラ)さんが、音楽賞の結果と、日本のラッパーに対する不満と怒りを露にした動画を「ユーチューブ」に自らアップした。もっとも、「ユーチューブ」のコメント欄にはZEEBRAさんをバッシングするカキコミが溢れている。クソみたいなラップばっかりプッシュしやがって!「お前ら何も分かってないだろ?」とZEEBRAさんZEEBRAさんが動画をアップしたのは2008年5月31日。この日は、MTVジャパン主催の「MTVVIDEOMUSICAWARDSJAPAN」が開催され、年間のミュージック・ビデオの最優秀賞の表彰などが行われた。今年で7回目になるこのイベント。ZEEBRAさんもステージでパフォーマンスを披露した。動画がアップされたのはこのイベント終了後だ。「ユーチューブ」にアップされた約55秒の動画には、一人でZEEBRAさんが登場。カメラを睨み付け、ラップ調で興奮気味にこう吼えた。「ユーチューブにいきなりダイレクトで生で挿入!yeah! 先ほど行ってきたMTVAWARDS俺一言マジ言わしてもらうぜ!(中略)Youdon'tknowshit,man?(お前ら何も分かってないだろ?)YoutalktoThefuckingsponsor…(お前らはムカつく。スポンサーとしゃべってばっかり)allthebullshitrapyouwannapush(クソみたいなラップばっかりプッシュしやがって!)誰が状況を作っているんだ!誰が音楽業界を作っているんだ!誰が音楽をやっているんだよ!That'samusicianmotherfucker!!(それはミュージシャンだろ?クソ野郎!)スポンサーと話す時間があって、俺と話す時間がねぇんだったらfuckallyou,bicthes!(死んじまえ、このクソ野郎!)」「MTVAWARDS」に出席し、抑えきれない感情が湧き上がって爆発したようだ。それはイベント主催者への怒りでもあり、日本のラッパーへの怒りともとれるものだ。「ユーチューブ」のコメント欄には08年6月2日午後5時現在に230近いコメントが出て、多くがZEEBRAさんへのバッシングだ。「あんた、手前のことどれだけ偉いと思ってんだよ」「一般人も見ている事をお忘れなく。安々と下劣な言葉を使わない方が身のためですよ」これぞまさにインディペンデント?一方で、ZEEBRAさんを応援するカキコミもある。「言ってる事には同意。スポンサーだとかレコード会社の利権で賞が決まるんだったらやらない方がマシ」「これを機に、またギドラでメディアに一発ぶちかましていただきたい」「はっきり言って見直しました。自分一人でYouTubeにアップしたのなら、何のフィルターも通ってないですもんね。これぞまさにインディペンデントかと」ZEEBRAさんのこの発言をMTVジャパンはどう思っているのだろうか。同社「MTVAWARDS」担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、「コメントする事はない」ということだった。「ヒップホップのラッパーを目指す人のラップ入門」「ラップがわかる・できる本」(いずれも自由現代社)などの著書があるラッパーのMC一寸法師さんはJ-CASTニュースの取材に応じ、動画を見る限り、Zeebraさんはどこかのレコード会社に対して怒っているのだろう、と説明した。また、スポンサーの顔色伺って、やりたい事も出来ず言われたままの操り人形になったままでデビューする、そんなアーティストもいるのだという。ただし、「デビューへの近道として、スポンサーに頼る方法を選んでいるだけ、とも言えます。スポンサーがいなければ成り立たない事も事実です。ただ、そこからが大切で、その後に自分のやりたい事をし、やりたい事を形に残せればそれはそれでいいと思います」つまりはアーティストとしての「生き様」が大切だということなのだという。
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