2018年 7月 20日 (金)

「若者の車離れ」が響く 大手損保が自動車保険料引き上げへ

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   東京海上日動火災保険三井住友海上が2008年7月から自動車保険の保険料を引き上げる。損害保険ジャパンはすでに4月に引き上げていて、その背景には若者の車離れがあるという。一番のいいお客が減り、採算がとれなくなっての引き上げというわけだ。その一方で、インターネットや電話で加入できるダイレクト損保の契約件数は2007年度で平均8%の伸び。大手損保はいよいよ苦しくなってきた。

保険料「単価」の減少響く

   2008年7月から、東京海上日動は平均1.5%、三井住友海上は同1.0%、保険料を引き上げる。損害保険ジャパンはすでに4月に、2.9%も引き上げていた。東京海上日動は7年ぶり、三井住友海上は2年ぶりの引き上げだ。

   大手損保が保険料の引き上げを余儀なくされたのは、1998年の保険料の自由化以降にはじまった自動車保険の収支の悪化だ。具体的には、「保険料率の単価が下がっているから」(三井住友海上)。少子高齢化による若者のクルマ離れが指摘されるが、年齢条件で保険料が異なる自動車保険にあって、一般的に若い人ほど保険料は高い。その若者の契約が減っている。

   また、ガソリン価格の高騰や地球温暖化問題を意識するドライバーが増え、小型車に人気が集まって大型車や高級車が売れず、保険料が下がっていることも「単価」が減っている要因だ。

   一方、ソニー損保三井ダイレクト損保アクサ損保といったインターネットや電話で保険加入を受け付けるダイレクト損保の業積は好調で、シェアを拡大している。あるダイレクト損保の関係者は「ダイレクト損保は全体的に好調ではあるが、シェアはまだ10%程度しかない。大手損保にしてみれば、多少(ダイレクト損保に)流れても値上げしたほうが得と判断した」とみている。

   ある大手損保は、「代理店のサービスを、『顔が見える』といって使う人はまだまだ少なくない。事故対応の場面などでは、近くで親身になってくれるという便利さがあり、そこにネット損保とは明確な違いがある」と自信をみせる。今後はダイレクト損保が先行するロードサービスの拡充などにも力を入れる。

結局、これまで「特約」でもうかっていた

   保険料の引き上げが大手損保の言うとおり、保険料単価の下落にあるのだとすれば、ダイレクト損保の置かれている状況も同じはず。しかし、三井ダイレクトは「現状、保険料を引き上げるつもりはない」としている。大手損保の引き上げの動きと消費者の節約指向で、契約は放っておいても増えていきそう。ダイレクト損保のなかには、この機を追い風とばかりに、一気にシェア拡大を図ろうと、値下げに動くところもあるほどだ。

   大手損保が保険料を引き上げる、もう一つの背景には保険金の不払い問題の反省として、自動車保険の商品性をシンプルなものに見直したこともある。これまで基本契約に加えていろいろと付加されていた「特約」条項を整理し、一部を廃止。新しい商品に改定して、付帯サービスを充実することを契機に、保険料を引き上げようというわけだ。

   あるダイレクト損保の関係者はこう説明する。

「自動車保険はもともと収益性が悪く、それが保険料率の自由化でさらに厳しくなった。そこに登場したのが特約だ。重複するような特約もあったのに、契約者にあれこれ付けさせて、その挙句、売った商品も、自分が入っている商品もわからなくなったのが不払い問題につながった。つまり、これまで特約をあれこれ付けていたことで保険料の単価を吊り上げていた。それを廃止したのだから、(単価は)当然下がる」

   「特約」の廃止で、保険料を上げざるを得ないというのが、大手損保の事情のようだ。

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