2024年 4月 26日 (金)

USBメモリでPCソフト販売 「どのPCにも使えるメディア」を強調

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   「PC(パソコン)にソフトをインストールする」といえば、CD-ROMを使うのが、これまでの「常識」だった。ところが、低価格PCの売れ行きが伸び、その風向きが変わりそうなのだ。そうした中で、大手ソフトウェア会社ソースネクストが、ソフトをUSBメモリに入れて発売することになった。記憶媒体の変遷が、また一段と明確になった形だ。

ソースネクストが年内計30タイトルを発売

発表会には同社の年賀状ソフト「筆王」のイメージキャラクター西秋愛菜さんも登場した
発表会には同社の年賀状ソフト「筆王」のイメージキャラクター西秋愛菜さんも登場した

   ソースネクスト(東京都港区)は2008年8月27日、USBメモリにソフトウェアを収容して販売する「『Uメモ』戦略」を展開する、と発表した。具体的には、「ウイルスセキュリティZERO」などの定番ソフト7タイトルを08年9月5日に発売し、08年末までに合計30タイトルを発売する。ソフトが収納されている容量1GBのUSBメモリは、インストール後は通常のUSBメモリとして利用でき、販売価格はCD-ROM版と同価格を維持した(「ウイルスセキュリティZERO」であれば標準価格4980円)。

   この背景にあるのが、販売価格が10万円を切る「低価格PC」の伸び。民間調査会社のBCN(東京都文京区)の調べによると、低価格PCの2008年7月時点での販売台数のシェアは、ノートPC全体の4割に達している。この低価格PCの売れ行きがPC市場全体を下支えしている模様で、PC全体の売れ行きを見ても、08年4~6月期の国内PC出荷台数(速報値)は前年同期比8%増の354万台に達している(IDCジャパン調べ)。

   しかし、この低価格PCの価格は、「使用頻度の低い機能を削ぎ落とす」ことで実現されている面が強いのも事実。通常であればソフトなどのインストールに必要なCD-ROMドライブが搭載されていないケースも多い。

   実際、台湾のITコンサルティング大手の「マーケット・インテリジェンス・センター」(MIC)が、ノートPCに対する、CD-ROMドライブを搭載しないPCの割合を予測したところ、08年の段階で約8%なのに対して、2013年には25%近くに達するものとみられている。

   そうなると、PCの利用者がソフトをインストールする際には、外付けCD-ROMドライブを使うか、インターネットからダウンロードしてくる、といった手間を強いられてしまう。

USBメモリが「ソフトウェアを収容するもの」に変化

「『Uメモ』シリーズ」は年内に30タイトルが発売される(右はソースネクスト・松田憲幸社長)
「『Uメモ』シリーズ」は年内に30タイトルが発売される(右はソースネクスト・松田憲幸社長)

   ソースネクストの松田憲幸(まつだ・のりゆき)社長は、同日に東京・六本木ヒルズで開いた記者発表会で、 (1)ほぼすべてのPCで使える(2)インストール速度がCD-ROMに比べてはるかに速い、といったUSBメモリの利点をアピール。

「『(ソフトも収容する)新メディアだから普及しない』ということではない。普及するという確信を持っている」

と、自信を見せた。

   CD-ROM以外でデータ配布する記憶媒体をめぐっては、05年ごろから、フラッシュメモリなどにデータをコピーして配布する「データデュプリケーションサービス」が相次いで立ち上がったほか、USBメモリでの持ち運び用に設計されたブラウザ「Portable FireFox」が公開されるなどの動きが確認されている。それ以外にも、上級者向けのサイトでは「USBメモリからOSをインストールする方法」が数多く紹介されており、USBメモリは、単なるデータだけではなく「ソフトウェアを収容するもの」としての地位を確実なものにしつつある。

   今回発表されたソフトの大量リリースは、この流れに拍車をかけることになりそうで、同社が打ち出した新戦略の今後が注目される。

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