2024年 4月 20日 (土)

株式売却凍結と4分社化見直し 自民党の郵政論議が加速

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   郵政民営化の見直し論議が加速しそうだ。日本郵政グループは持ち株会社の日本郵政と傘下のゆうちょ銀行かんぽ生命保険を2010年度にも上場することを目指しているが、麻生太郎首相が2008年11月19日、「株が下がっている時に、しゃにむに売らなきゃいけないって、そんなアホな話はない」と、株式の売却を凍結すべきだと発言したことが大きな波紋を広げている。麻生首相の発言は「自民党内の郵政見直し論議の本音を代弁している」(政府・与党関係者)と見られる。政府の郵政民営化委員会(田中直毅委員長)は09年春までに具体的な見直し案を首相に提出することになっているが、株式売却問題と4分社化の再編が最大の焦点となるのは間違いない。

3年ごとに「総合的に見直す」ために議論

   日本郵政の西川善文社長は11月28日、首相発言を発端とする株式売却凍結論議について「現行の民営化法で顧客サービスがかつてより低下しているものはあるが、(法改正をしなくても)運用の中で解決が考えられる」と述べ、性急な民営化見直しは必ずしも必要ないとの考えを示した。西川社長は「来春が民営化見直しのタイミングなので、いろんな議論がされている。私どもは現行法に則って、粛々と事業運営を進めていく」と、諦めとも取れる苦渋の表情を浮かべた。

   郵政民営化法は郵政民営化委員会が3年ごとに「民営化の進ちょく状況や経営形態について総合的に見直す」と定めている。同委は06年4月の同委発足後、3年を迎える来春に向け、民営化を見直す議論を今年8月に着手したが、年内は関係機関からのヒアリングを行うだけで、「開店休業状態」(関係者)が続いている。このため、政府も日本郵政グループも「当面は自民党内の見直し論議を静観するしかない」というのが本音だ。

   自民党内では、次期解散・総選挙をにらみ、「小泉政権が強引に進めた」(与党幹部)郵政民営化を見直す気運が高まっている。それだけに、小泉改革路線を継承しようとする中川秀直元幹事長ら民営化推進グループとの対立が強まっている。麻生首相は株式売却凍結発言の翌20日、「株が安い時に何で売るんだという話をしただけだ」と軌道修正を図ったが、中川元幹事長が「首相の発言は誤解を招く。郵政民営化をひっくり返すことは、我々がやってきたことの全否定につながる」と反発。河村建夫官房長官は「首相は日本郵政グループの国営化を目指しているわけではない。改革をやめるわけではない」と沈静化に動いた。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中