2024年 5月 4日 (土)

世界的な漁獲規制に対応 養殖マグロに新規参入続々

初期投資に億単位かかり、リスク大きい

   ただ、マグロ養殖には大きなリスクも伴う。ある水産企業社員は、

「市場拡大の余地があると見込んで新規参入も多いが、マグロ養殖にはノウハウが必要。初期投資に億単位かかり、マグロを育てるため、さらに出荷まで2~3年かかる。中小の企業にはとてもできない」

と話す。また、マグロ養殖事業を拡大した日本水産の広報IR室では、

「養殖事業は、そもそも大変リスクの高い事業であり、ある一定の規模を確保すると同時に、技術的課題をクリアにしないと収益が上がる構造にならない」

とも指摘する。実際、同社の京都府・伊根でのまぐろ蓄養事業は台風の影響で08年の実績は前年の10分の1にまで縮小する見込み。マグロは食卓から遠のく一方だが、養殖が事態の救世主となるのはまだまだ先のことになりそうだ。

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