2024年 4月 30日 (火)

麻生首相施政方針演説 小泉構造改革と「決別」

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中谷巌・一橋大名誉教授も「転向」

   対照的なのが、中谷巌・一橋大名誉教授だ。中谷氏は、08年12月に、書著「資本主義はなぜ自壊したのか 『日本』再生への提言」(集英社)を発表。同書の売り文句は「懺悔の書」で、1月下旬に中日新聞と東京新聞に掲載されたインタビューでは、すっかり改革路線から「転向」している様子だ。

「私は、かつては小渕内閣の『経済戦略会議』の提言づくりに参加し、そのいくつかは、後の小泉構造改革として実行に移されたが、最近の日本社会の疲弊ぶりを見るにつけ、米国流の『小さな政府』を掲げる構造改革路線だけでは、日本人は幸せになれないと思うようになった」
「日本は最近、急速に貧困層が増大しているし救急医療を受けられない『救急難民』も増えている。格差拡大を助長し、日本人が大事に育ててきた社会的価値を破壊するような改革には賛成できなくなった」

   両氏に対する反応も、対照的だ。竹中氏の発言は、週刊新潮(09年1月29日号)に「それでも平気でテレビ出演『竹中平蔵』厚顔無恥の研究」という見出しで記事にされ、激しく批判を浴びる一方、中谷氏のインタビューに対しては、読者から賛同の声が多く寄せられたという(09年1月22日東京新聞「応答室だより」)。さらに、この著書のアマゾンの書評欄の平均は、5点満点中の4点。かなりの高評価だ。

   小泉路線の否定が正しいか否かは別にして、現時点での世論の風向きは、「構造改革見直し」の方向にある。

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