2018年 7月 23日 (月)

パイオニアTV完全撤退 家電メーカーリストラ加速

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   パイオニアが、2010年3月までに、主力事業である薄型テレビから完全撤退すると発表した。薄型パネルの製造から販売までを総合的に手掛ける大手テレビメーカーがテレビ事業から完全に手を引くのは初めてだ。パイオニアにとって柱ともいえる事業から撤退せざるを得ないほど家電メーカーをめぐる経営環境は悪化している。景気の先行きが見えない中、家電メーカーの事業縮小や撤退の動きが加速する可能性は強い。

大画面のプラズマテレビを世界で初めて発売

   パイオニアは1997年に、50インチという大画面のプラズマテレビを世界で初めて発売し、薄型テレビでは世界をリードする存在だった。特に、画像の決め手となる黒色の表現力には高い評価を得ており、鮮明な画像が特色の「KURO(くろ)」ブランドには熱烈なファンも多い。

   しかし、薄型テレビの世界市場では、パナソニックなど国内大手や韓国LG電子など新興勢力が猛追。国際的な開発・価格競争が激化する中、パイオニアは「オンリーワン」としての地位を確立することができず、昨年のプラズマテレビの出荷額シェアは、わずか4%で世界5位と苦戦から抜け出すことができなかった。

   こうした中、パイオニアは08年3月、パネル生産から撤退し、パネルは競合相手でもあるパナソニックから調達する方式に切り替えると発表した。自前生産を断念してテレビの組み立てに特化することでコスト改善を図る考えだった。しかし、08年秋の米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻以降、世界景気は急速に悪化。テレビ販売も急激に落ち込んだ。さらに、テレビの世界的な値崩れが加速し、収益改善のめどは立たないと判断。「完全撤退によって会社としての生き残りの道を探る以外なくなった」(関係者)というのが実態だ。

大手各社は薄型テレビの事業改革や見直し作業進める

   薄型テレビ事業に完全に見切りをつけたパイオニアは今後、国内首位のカーナビゲーションなど車載機器事業に注力し、経営の再建を目指す。既に1月には、レーザーディスク(LD)プレーヤーの生産を打ち切ると発表しており、経営のスリム化を一段と強化する構えだ。

   薄型テレビについては、パイオニアだけでなく、大手各社が現在、事業改革や見直し作業を進めている。ソニーは国内のテレビ2工場を1カ所に集約すると決めたほか、パナソニックもパネル工場の稼働延期などを打ち出している。今後もパイオニアに続く大胆な戦略が動き出す可能性は高い。一方、パイオニアがテレビ事業の完全撤退に伴い、世界で正社員と非正規社員の計1万人を削減すると発表するなど、家電大手の再編・事業見直しの影響は広い分野に及びかねない雲行きだ。

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